ホワイトデーの日の夜に及川から電話が来た雛。「今、ちょっとだけ外出れたりする?」って言われて慌てて窓の外見たら及川が立っててひらひら手を振ってるから慌てて上着だけ羽織って飛び出したら「こらこら、そんな薄着で風邪引いちゃうでしょ」ってマフラーでぐるぐる巻かれる。
「な、なんで…って違う…!だめですよ、及川さん風邪ひいちゃう…!」って慌てて巻いてもらったマフラー取ろうとしたら「いいのいいの。俺が勝手に押しかけただけなんだから」って頭をぽんぽんって撫でられて「あ、もしかしてお風呂入った?ごめんね、寒いでしょ」って言われるから首をふるふる横に振って「だいじょぶです」って言えば「そう?でも風邪引いたら大変だし、名残惜しいけど用事済ませてすぐ帰るから」って笑いかけられる。
「用事?」って首を傾げれば「そ。これ、バレンタインデーの時に貰ったおかしのお返し」って紙袋を渡されるからびっくりして「そんな…!気使わなくてよかったのに…」って言えば「だって嬉しかったんだもん。それに、雛ちゃんに会う口実にもなるしね」っていたずらっ子みたいにくしゃっと笑う及川がいるから「ありがとう、ございます」ってふにゃんって釣られて頬が緩んじゃう。
「中身、見てもいいですか?」って聞けば「もちろん。どうぞ」って優しく微笑まれるからそっと袋の中を開けたら可愛いバスボムとハンドクリームが入ってて「これとこれ、セットのやつなんだ。匂いもキツくないから学校でも使えると思う」って言われるから鼻を近づけてみるとふんわりとオレンジの匂いがして「ほんとだ、いい匂いする」って頬が緩んじゃう。
「それと、これもあげる」って今度はもう1個小さめの袋を渡されるから「なんですか?」ってきょとんとしながら受け取ったら「それ、今度一緒に出かける時に付けてきてよ」って言われて中身を見れば淡い水色のバレッタが入ってて「か、かわいい…!」って雛の目が輝く。
「早く渡したくて、ランニングがてら来ちゃったんだ」って困ったように眉を下げて笑った及川に「嬉しいです…!すっごく可愛いし、もう、ほんとに…!ありがとうございます!」って雛が嬉しそうに笑うから「…うん。喜んでもらえてよかった」って及川もふんわり頬を緩ませて笑う。
それから「ごめんね。こんな遅くに、呼び出しちゃって」って雛の首からマフラーを取って自分の首に巻いて、流れるように雛を抱きしめた及川が「おやすみ。また、連絡するね」ってお風呂に入ってしっとりしてる髪の毛をするっと梳くように撫でて離れるから「…ッ、は、はい…!」って思わず背筋が伸びちゃう。
そんな雛を見てイタズラ成功みたいな顔した及川がひらひら手を振って走っていくからぽかんとしちゃうし、残された紙袋と鼻に残る及川の匂いに時間差でぶわっと顔が熱くなっちゃう雛がいる。「及川さん、すまーとだぁ…」って手でぱたぱた顔を扇ぎながら部屋に戻った雛がしばらくドキドキしてるよ。