嫌なことがあって触れるもの皆傷つけるモードになっちゃう雛。机に突っ伏して「ほんとむり、もうやだ」って言ってれば「何?なんかあった?」って木下が声をかけてくれるんだけど、それに答える余裕も無くて「あったからこうなってんじゃん」って突っぱねちゃう。
なんでこんな可愛くないこと言っちゃうんだろうって自分に嫌気が差して益々泣きそうになるんだけど「そりゃそうだわ」ってけらけら笑いながら「俺に当たってすっきりすんなら何でもいーよ」って頭をぽんぽんって撫でられるから「う、るさぁい…」ってちっちゃな声で言い返すことしか出来ない。
そんな雛の傍で何を言う訳でもなくずっと一緒にいてくれる木下に甘えて机に突っ伏したままぐるぐる色んなことを考えてれば、廊下が騒がしくなって「ご機嫌斜めの姫はどこだ〜」「お、いたいた…ってそれ起きてる?」「起きてる起きてる」「お菓子買って来たぞ」「オマケのおもちゃは雛のな」「お前が要らないだけだろそれ」「バレた。じゃあ木下やるよ」「え、全然いらない」ってわらわら皆が集まってきて雛の周りで話し始めるから嬉しい気持ちもありつつ、中々消えてくれないモヤモヤを吐き出すように「……うるさい。なんにもいらない、あっちいって」って更に突っぱねちゃう。
そんな自分の行いすら嫌で泣きたくてぐすって鼻を鳴らした雛を見て全員が珍しすぎる…ってびっくりして固まってれば、その沈黙が雛の涙腺をガッツリ攻撃してしまい「…どーせ、みんなめんどくさいって、おもってるでしょ。やなやつって、おもってるんでしょ」って雛が泣きそうな声でぽつぽつ話し出すから皆顔を見合せてから笑っちゃう。
「ったくお前なぁ…細かいこと気にしすぎなんだよ!」「八つ当たりされたくらいで嫌いになんかなんねーっつーの!」「そうそう。嫌なことがあって落ち込んでるんだから当たりたくなるのも当然だよな」って田中、西谷、成田が笑って言って「雛が俺たちのこと本気で邪魔だって、1人でいたいって思ってるならそうするけど、そうじゃないだろ?」「お前が思ってる以上に、俺らはお前のこと甘やかしてるつもりだけど?」って縁下と木下にも笑いながら言われて今度こそ我慢できずに涙がぼろぼろ溢れ出す。
「……ぅ゛ぅー…ッ、」って唸って声を殺そうとする雛に皆が笑いながら「おー泣け泣け」「そんで田中に八つ当たりしろ」「いや何で俺なんですかァ!?」「1番当たられ慣れてそう」「ちょっと意味が分かりません」「龍が嫌なら俺でもいいぞ!」「いや八つ当たりに嫌とかなくない?」ってわいわいし出すからちょっとずつモヤモヤも消えていくし、嫌なことも完全には消えないけどちょっとずつ気にならなくなっていく。
「…ありがとう」って小さな声でお礼を言う雛に「何が?」「別にお礼言われることしてないだろ」「ほら、お菓子食おーぜ」「これオマケのおもちゃな」「いらない奴な」「ちょっと言い方」って皆がいつも通りの笑顔を向けてくれるし「お前がどんだけ俺らを突っぱねても、俺らはお前を突っぱねたりしないから。安心して八つ当たりしな」って優しく笑ってお菓子の袋を開ける縁下に「…うん!」って笑顔が戻ってくる。これから何があってもみんなが一緒にいてくれるから怖くないね。