会えなかった時間を埋めるように

雛と西谷が付き合ってるIF。離れてても西谷が大好きな気持ちは変わらないし、西谷がこまめに連絡をくれるのも嬉しくて寂しくないって思ってたはずだったんだけど、嫌なことが続いて頑張れなくなった時に「なんで、そばにいてくれないの」って泣いちゃう。

でもそれを西谷に伝えたら困らせるって分かってるから西谷からもらった何の生き物かよく分からないぬいぐるみを抱えて家で1人でしくしく泣く。そんな日が何日か続いたある日、家に帰ったら玄関に誰かが座ってて「だれ…?」って首を傾げれば「よっ」って立ち上がった西谷が手を上げてニカッと太陽のような笑顔を向けてくる。

「…へ、なん…えっ、帰ってくるって言ってたっけ…!?」って慌ててスマホを探せば「いや?言ってねぇよ?」って笑いながら近付いてきて「サプライズ、好きだろ?」って頭を撫でて流れるように後頭部に回った手に引き寄せられて唇が重なる。

「す、き…だけど、なんで…だって、」って混乱しながらもじわじわ涙を浮かべる雛に「あとは、俺が雛に会いたくて我慢できなくなったから来た!」って西谷が言うから堪えられずに涙腺崩壊。ぼろぼろぼたぼた大粒の涙を流して「のや、のや…っ、すき、だいすき…っ、のやぁ…!」って勢いよく飛びついてくる雛を軽々抱き抱えて「とりあえず部屋入ろーぜ。鍵カバンの中か?」って言うけど首筋に顔を押し付けたままぐすぐす鼻啜ってるから「カバンあけるぞー」って一声かけてから雛のカバンの中を覗いて鍵を引っ張り出す西谷がいる。

玄関を開けて中に入って、鍵を閉めて雛の靴を脱がせて勝手知ったる様子で電気を付ける西谷にぎゅううってしがみついたままの雛がいるから雛を抱えたままラグの上に座った西谷が「雛、顔見せろよ」って言えば「やだ」って返ってくる。

「何でだよ」「いまかわいくないから、やだ」「はぁ?」「ないてて、べしょべしょだからやだ」「高校ン時からべしょべしょになるまで泣いてたろ」「いまはけしょうしてるじゃん…!ちがうじゃん…!」「あっじゃあ今俺の服絶対やべーじゃねぇか」「どうせ洗濯するからいいじゃん!」って言い合いしてるうちに雛の涙も引っ込んで2人してきゃらきゃら声を上げて笑い出す。

「お、やっとこっち見た」「なによ、どーせぐしゃぐしゃですよ」「はいはい可愛い可愛い」って不貞腐れる雛のほっぺを両手で包んでちゅってキスをした西谷が「ただいま」って笑えば「…おかえり」って雛が噛み締めるように返す。

「1週間くらいこっちにいるから」って言う西谷に「ほんと…?」って雛が目をまん丸にすれば「ほんと。充電足ンねーんだよ」「充電?」「お前の」「へ、んっぅ、」ってギラついた目の西谷に噛みつかれる。結んでた髪の毛はくしゃりと乱雑に解かれて、着ていたジャケットは脱がされて放り投げられる。

呼吸すらままならない深いキスに逃げようとするけど腰に回された西谷の手がそれを許してはくれなくて。「逃げんな」って低い声で言われたらきゅうっと胸が苦しくなって涙が溢れそうで、「ゆうっ…すき、だいすき、」って言葉を吐息混じりに零せば、そんな雛に「おれも」ってふんわり笑う西谷がいるよ。

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