もう二度と元の世界に戻ることが出来ないことが確定してしまった監督生に皆が何て声をかけたらいいか分からなくて困ってるのを察して「そんな気はしてたんだよね!まあ無理なものは無理だし、しょうがないでしょ!そんな顔しないでよ!」って笑って見せた監督生の本音を引き出して泣かせてくれるツイステ男子の話。
最初は帰れなくなった監督生に恩の一つや二つを売っていい労働力になれば、くらいに思って追いかけたアズール。声にならない叫び声をあげて泣き崩れる姿を見て足を止める。監督生へ手を差し伸べながら「戸籍は用意します。貴方が望むなら無償で衣食住も保証しますから、だから、」 泣かないで欲しい、なんて。打算も何もない。何があっても笑っていた監督生がたった一人で泣いている。その事実がこれ程までに胸を痛ませるなんてアズール自身も思いもしなかった。「貴方に泣かれると、どうしていいか分からなくなる」って困った顔で監督生の前に跪いたアズールの手を、震える手で取った監督生の表情が再び歪んで、涙が落ちた。
「貴方が帰れなくなったと聞いて、正直嬉しいと思ってしまったんです」って真正面からジェイドに言われて驚きすぎて一瞬固まってから「無様な私を笑いに来たんですか」って泣きながらジェイドをキッと睨み付けたら「いえ、無様な『僕』を責めて欲しくて来ました」って言われて益々意味が分からない。「貴方と離れるのが嫌だったんです。だから、離れなくていいと分かって嬉しかったはずなんですが…今は嬉しくないんです」ってジェイドが困ったように眉を下げて「貴方の気持ちは疎か、自分の気持ちすらも把握できていない無様な僕を気の済むまで責めてください」って行き場のない怒りの行き場をくれるから。
いつものように声をかけようとして追いかけてきたフロイドだったけど、あまりにも悲痛な泣き声にきゅうっと胸が苦しくなる。膝を抱えて必死に声を殺す監督生を後ろからぎゅっと抱きしめて「俺と一緒に珊瑚の海に行こうよ」って言いながら監督生の肩に額をぐりぐり押し付けてくるから思わず「は…?」って固まる。「ママもいるし、俺もジェイドも、アズールもいるよ。それにさ、小エビちゃんのいたとこってシマグニ?だったんでしょ。海もあるし、似てるかもしんないじゃん」って言いながらぎゅうぎゅう抱きしめてくれるからじわじわ涙が溢れて「ぜんぜんにてない、です。でも、ありがとうございます」って声を上げて泣いてしまう。