もう二度と元の世界に戻ることが出来ないことが確定してしまった監督生に皆が何て声をかけたらいいか分からなくて困ってるのを察して「そんな気はしてたんだよね!まあ無理なものは無理だし、しょうがないでしょ!そんな顔しないでよ!」って笑って見せた監督生の本音を引き出して泣かせてくれるツイステ男子の話。
監督生が幸せである事を願っていたはずなのに自身の心から溢れ出すのは監督生と別れなくても良くなった事実に対する喜びだったことに少なからずショックを受けるマレウス。涙を流す監督生を見て安心している自分が、一体どうして彼女を慰められようか。「ひと、の、こ」って小さな小さな囁く声に顔をあげる。「すまない、」って苦しそうな顔で謝ったマレウスに「ツノ太郎が気にすることじゃないよ」って返すけど「違うんだ。お前がこの先も僕の隣にいてくれるのだと分かって、ホッとして、しまったんだ」って震える手で強く抱き締められて「誰かを想うと言うのは、こんなにも苦しいものなのだな」って縋るような手を振り払えない。
「全く、一人で泣くくらいならわしの所に来ればよかろうに」ってわざとらしく肩を竦めて歩いてきたリリアが監督生の前でしゃがみ込んで「ほれ、今ならわしの胸を貸してやるぞ」っていたずらっ子みたいに笑うからぶわっと涙が溢れ出て体当たりの勢いで胸に飛び込めば笑いながら後ろにひっくり返る。「赤子は泣くのが仕事じゃ。遠慮せんで、たーんと泣いたらいい」ってあやすように背中をとんとん叩かれて赤ちゃんじゃないですって言えば「わしからすれば皆赤子も同然。泣いても喚いても何もおかしくないぞ」って言われて先輩のせいで涙止まらないってリリアのせいにしてわんわん泣きじゃくる。
監督生の笑顔にそこまで気にしてないのだと一瞬だけ本気で思ったセベクだったが、去り際の監督生の唇が震えていることに気付いて反射的に背中を追いかけた。壁に拳を打ち付けてなんで、と泣きじゃくる痛々しい姿を見てられずにその手をぎゅっと握って「そんな細腕で、何をしているんだ」って声をかける。キッとセベクを睨み付けて放っておいて、と声を荒げる監督生に「僕だって放っておけるならそうしているに決まってるだろう!それでもこの僕がお前を追いかけてきているんだぞ!?」って言い返すセベクにぽかんとしてから不器用すぎる慰めにぼたぼたと涙が溢れて、何も言われないのを良い事にセベクの胸で涙を流した。
はらはらと静かに涙を流す監督生を見てたまらず抱き締めてしまったシルバーが「俺は…お前の心の痛みを全部分かってやることはできない。でも、痛みに寄り添うことはできる」って一生懸命言葉を探して選んで伝えてくれる。「お前が…何を思って、何を願うのか、俺に教えてくれないか?」って頬を撫でられる。涙と一緒に嗚咽が溢れて、弱音が、本音が溢れ出す。たどたどしく紡がれる言葉の一つ一つを受け止めて「ああ、そうだな。一人は寂しい」って頭を撫でてから「だから、俺が傍にいよう。お前が、一人で立てるようになるまで。俺がいらなくなる、その日まで。ずっと、傍にいよう」って抱き締めてくれる。