音駒の皆さんとお別れする時間になってしまった。
負けちゃったけど楽しかったなあ、この練習試合。
「な、名前ちゃん!今日はありがとう!」
『ううん、こちらこそありがとう!しばらく会えなくなっちゃうね…』
「…あ、メールアドレスとか持ってる!?」
『うん、もちろん!…交換してくれる?』
「もちろん!」
犬岡君とメールアドレス交換をすることになりました。実は、同い年の男の子とメールアドレスを交換するのはこれが初めてなんです!今は便利なSNSがあるから、そちらを使うことが多い。
業務用で澤村先輩のメールアドレスと電話番号はもらったけど、バレー部と言ったらあと潔子先輩のものしか持ってない。
だからなんだかとても緊張します。私は、持っていたメモ帳に自分のメールアドレスと電話番号を書いて、犬岡君に渡した。
「これ、俺の」
『ありがとう!これで毎日でも会話が出来るね!いや、毎日はちょっと多すぎだよね』
「俺は毎日でもいい!」
おぉ、心優しいぞ犬岡君は!やっぱり会話する相手がいると嬉しくなるよねー…。え?
『あ、私のスマホ…』
毎回黒尾さんには驚かされる。突然現れてスマートフォンをかっさらわれて、なにやら打ち込んでいる様子だ。そして返してもらったスマホには、黒尾さんのメアドと電話番号が登録されていた。そして、今気づいたのだが黒尾さんのだけじゃなくてなんと、研磨さんの分まで入っていることに気づいた。近頃は電話番号を登録するだけで、無料通話アプリの友達登録も済んでしまう便利な世の中になっている。
「クロ、なんで俺のまで…」
「なんとなく気が合いそうなんだよな、お前ら」
「………。」
「あ、俺も交換していい?」
『もちろんですっ!』
次から次へと交換されて行く連絡先。今は犬岡君と黒尾さんと研磨さんと夜久さんのメアドと電話番号をゲットしてしまいました!
「烏野が嫌になったらいつでも連絡しろよー」
『え、まさか絶対そんな事ないですよ!』
「万が一だ、万が一」
「うちのマネージャーに限ってそんな事ないですよー」
黒尾さんと話していると、澤村先輩が間に割り込んできた。ナイスタイミングです!澤村先輩が言う通り、烏野高校バレー部を嫌いになることなんて、どんなに時間が経ってもあり得ない。
「あれ、烏野のキャプテンさんじゃないですかー。」
「どうも、次は負けません」
「次も負けません」
ニコニコ笑顔のキャプテン同士の握手。笑顔なのはいいけど、純粋な笑顔ではない。ちょっと威圧的な雰囲気が怖いです…!もはや普通の握手がただの握手じゃなくなってる。間に林檎を挟めばいとも簡単に潰れてしまいそうだ。
キャプテン同士の挨拶も終わり、音駒高校との練習試合の日程も終わった。
私たちはまた次のステージに歩き出す。