ひよこが駆け巡る!





月島side

「凄かったぜショーヨー!ギュン!ブワッ!つって、あっ、俺犬岡!一年!」
「お前もデカいのにズバッ!つって!」


なんだあの会話。会話のレベルがもはや小学生だ。あれで会話成立してるワケ?僕にはサッパリ分からないんだけど。


「高校生の会話じゃねえなあ。でも君はも少し高校生らしくハシャいでも良いんじゃないの?」
「そういうの苦手なんで」
「ふーん。"若者"だねぇ」
「………。」

音駒の主将にそんな事を言われたけど、僕はあの中に混ざる気なんてない。っていうか僕と歳そんなに変わってないのに若者だねぇっておかしくない?アンタも十分若いでしょ。


「あ、あとさ!烏野の一年のマネの子ってどういう子!?」
「あぁ、名前ちゃん?名前ちゃんはすっごくいい子!あと優しくて、めちゃくちゃ元気!」
「やっぱりか!?話しててそんな感じした!!」

奴らは会話のスピードも速いけど、次の話題に行くのも早い。まさしく弾丸トークだ。
そして話はいつの間にかヒヨコの話題に。

僕にとっちゃどうでもいい話なんだけど、多分…。
どうでもいい話のはずなのに、その会話を聞いてしまうのは偶然だ。偶々聞こえてしまっただけだ。

っていうか本当にヒヨコは本物のヒヨコそっくりだ。テクテク歩く所とか、いつもニコニコ笑って場の雰囲気を和ませてる所とか。あと、髪があちこちに跳ねてて羽毛みたいだ。前世ヒヨコだったんじゃないのってくらい。


別にヒヨコが嫌いなワケじゃないけど、一緒にいるとどうも調子が狂う。こちらは馬鹿にしてるハズなのに、自分のせいじゃないのに、とんでもない時に謝ってきたり。僕自身何が何だか分からなくなってくる時がある。本当なんなの?

でもまぁ、イジリがいはある。ただ冗談が通じないことが多いけど。

『月島君!』

何度も馬鹿にしている僕に、こうしてノコノコと近づいてきたりするなんて、ほんと変わってる。いつもと変わらない笑顔で話しかけてくるから、こちらの気が抜けそうになる。

「何?」
『ボーッとしてたから話かけただけ!ほら、仕事仕事ー!』
「………。」

どうしてこうも僕を狂わせるのか。

僕の調子を狂わせる女子は、今のところこの世界できっと君だけ。

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