「名前ーーーー!」
『木兎先輩!木兎先輩ーー!』
「名前、名前、名前ー!!」
「何張り合ってるんですか…練習前なのにうるさい」
『イダッ…!』
赤葦先輩にデコピンされました。ちょっとは手加減してくれてるんだろうけど…やっぱり痛いっ…!赤葦先輩は誰に対しても容赦ない。
「おい赤葦!名前が痛そうだぞ!!」
『木兎先輩、私は全然大丈夫です!きっと赤葦先輩が撫で撫でしてくれますから!』
「おぉ!それなら心配ないな!」
「え……」
冗談のつもりで言ったんだけど、木兎先輩が完全にその気になってしまっている。え、……どうしよう!撫で撫でしてくれるのは勿論嬉しいけど、赤葦先輩、そういうコトはしてくれなそう?
「仕方ないな」
しぶしぶといった感じだったけど、あの赤葦先輩が撫でてくれるなんてレアすぎる。私ものすごくうれしいです!それに、あまり乗り気ではなさそうだった割には、撫で方が優しく心地よい。
「よし、仲直りだな!」
「いや、元々ケンカしてませんけど」
『これも木兎先輩のお陰です!』
「だからそもそも喧嘩してない…」
「いやー、それほどでもある!」
『木兎先輩万歳!』
「アンタら根っからの馬鹿ですね」
そういえば最近部員に"木兎とお前の温度だけ他とは全く違う"と言われたけど、どうやら赤葦先輩もそう思っている雰囲気。確かに周りとは温度差があるかもしれない。でもそれだけ私は木兎先輩と気が合うって事に違いない。
「いいんだよ!俺は名前と仲良しだからな!」
『木兎先輩…。私、もっともっと仲良くなりたいです…!』
「よーし、じゃあ親交を深めるために手始めに、練習が終わったらトランプでもするか!」
『はいっ!』
「赤葦、お前もやるか?」
『やりましょう!赤葦先輩!』
「…やります」
「決まりだな!うっしゃ、今日の練習も気合入れるぞー!」
『おぉー!』
今日も梟谷は平和です。