遙と大正浪漫のようなもの
私は七瀬家の使用人の名前と申します。
あぁ、誤解のないように言っておきますが、私はこれでも16歳です。家族のためにもう働いているのです。
平凡な家に生まれた私は、こうして名家に勤められるのは奇跡と言ってもいいと思います。
七瀬家はそれほど素晴らしい名家なのです。旦那様は海外で成功を収め、爵位を賜ったものすごいお方です。奥方様はとても美しく、聡明な方であらせられます。
――――そして七瀬家が誇るは、美しき『水の庭園』。
街から少し離れた小高い丘の上、瀟洒な屋敷をぐるりと囲むようにしてその庭は存在します。広い敷地内を見渡す限り美しく舞う水は、バロック彫刻さながらです。
旦那様や奥方様はお二人で海外の方へ出張されています。ですから現在正当な後継者として家にいらっしゃるのは、残されたご子息の遙様だけです。そして、どうやら七瀬家のお坊っちゃまは物静かな方のようです。
どれだけ使用人が話しかけようとも短く素っ気ない返事で。
「名前、名前はどこですか?」
おっと、誰かが御呼びです。きっとメイド長でしょう。なかなか年のいった女性なのですが、まだまだ元気は健在のようです。どうして、毎回私をご指名なんでしょうか。私以外にもメイドはたくさんいるんですけど…。
『はい、名前はここです』
「ここにいたのね、遙様にご朝食を持って行って」
『かしこまりました』
メイド長が少しきつい口調で私に指示をだしました。私は一礼してからその指示の内容を行動で示そうとします。そして早足で朝食のある厨房へ。……本当にこの屋敷は広いです。初めて来た時何度も迷ってしまいました。
朝食を持ち、再び早歩きをすればたっぷりと盛られたお味噌汁がタプンタプンに揺れ、今にも零れそうです。なんとか目的の部屋の前に来た私は
『…失礼します。お食事を持ってまいりました』
ドアをノックして遙様のお部屋に入ります。肝心の遙様はというと、微かに空いた窓から入る隙間風を浴びておりました。きっとまた、あの美しいお庭を見ているのでしょう。
『遙様?お食事はどこに?』
「…どこでもいい」
無愛想に返事をされました。少しだけ私の胸が痛みます。
私は貴方をお慕いしております。けれど、お伝えすることはできません。
私はただの召使い。あなたの屋敷の片隅で、ひっそりと生きているちっぽけな人間。
それでも私にとっては、至福の時でした。
私の願いは1つだけ。貴方はあなただけの幸せを。
***
とても続きを書きたい連載ですが、オチも決まってませんし、なかなか手を出せずにいます。
続きは皆様の得意な妄想で(とても失礼)補ってください。
また続きはこの展開に決まりね!!っていう素晴らしいご意見をお持ちの方はコメントにてぶつけてください。
コメント
万が一「つ、続き書いたけど自信ない…」という方がいらっしゃったら、私の駄文ではありますが執筆の補助をさせていただくので、大いに皆様のお気持ちをぶつけていただきたいです。