凛birthday! 2014
私には同い年の彼氏が居る。
彼は同じ高校1年生で名前は凛。
家が近所で小さいころからずっと一緒に居た所謂幼馴染。
ただ、今は学校が違うから会うのも一苦労。二人に時間があるときは学校帰りに、とある公園で会うことにしてる。会っても少し喋って一緒に帰るだけなんだけど。
学校の事とか友達の事とか本当になんでもないことをたくさん話す。凛の方から学校の状況を教えてくれることはないけど、聞けば答えてくれる。今は同じ部屋の似鳥君と言う子と仲良くしているらしい。
そして何と言っても忘れられないのは、今日は凛の誕生日だということだ。幸いな事に今日は水泳部の練習がないと聞く。お祝いをするのには最高の条件が出揃っているのだ。
凛の性格上、誕生日だとかそう言ったイベントには興味がなさそうだけど私は一緒に祝いたい。
胸を踊らせ、歩いて行くと待ち合わせ場所の公園が見えてきた。凛はまだ来てないようだ。
まぁ、来ていないのはいつもの事だから気長に待つことにする。
この公園の時計台には言い伝えがある。時計台の鐘をカップルで一緒に聴くと、その恋は永遠のものになるらしい。その鐘が鳴るのは午後五時。今日こそ一緒に聞きたい。いつもは時計台がなる前に家に帰ってしまうから。
でも何時もの時間になっても凛は来なかった。公園で1時間待っても姿がない。
マフラーも手袋もして、防寒具は完璧に着ているのに体が寒い。時間が過ぎれば過ぎるほど、息の白さは増していく。段々と日が落ちていき辺りを静寂が包み込む。約束、忘れちゃったのかな?それとも、なにか大事な用事でもできたのかな。一人で心細い気持ちに陥る。
「……わりぃ、待ったか……?」
「待ったよ…、もう来ないかと思った。」
公園の入り口で息を切らした凛が両膝に手をついて大きく呼吸していた。同時に、鐘の重たい低音が耳を伝って心臓を突き刺した。綺麗な音で、4回も。街中に響き渡る綺麗な鐘の音。
「…間に合ったぁ」
溜め息みたいな本音が体から飛び出し、彼の耳に届く。
「何がだ」
「え、知らない?ジンクス」
「だから……何のだよ?」
不服そうに私の頬をつねってくる。
「…凛、1時間も遅れてきたから言わない」
「んだよ!ここまで来たら気になんだろーが!」
「秘密だってば」
意地悪な笑顔で凛に仕返し。凛もなんだかんだで笑ってるみたい。
(あ、そうだ。凛、誕生日おめでとう)
(…そーいや俺、今日誕生日だったわ。)
(えぇ?自分の誕生日覚えてなかったの?)
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時計塔で会いましょう