君の全てを僕に頂戴
思いを伝えられないまま、一ヶ月。
仲は進展する事なく普通の毎日を過ごした。
もちろんあの、お花屋さんに欠かさず行った。
いつも笑顔迎えてくれる真琴さん。いつ見ても、あの笑顔は輝いている。
そして、これ以上このままの関係が嫌になってきた。やっぱり欲張りな私。フられてもいい。傷ついてもいい。ただ私の想いを知ってもらいたかった。
もしフられたら真琴さんの迷惑にならないように、想いをキッパリと断ち切ろう。そんなに簡単には消せない想いだと分かっているけど。
「あの、この花頂けますか?」
「えっ、あ…はい。分かりました。」
真琴さんは一瞬目を丸くして、その花を丁寧にに包装してくれた。
「初めてですね、この店の花を買ってくれるなんて…。」
「とうとう、私にも大切だって思える人ができたんです。」
「そう、ですか。」
違和感を感じた。いつもの柔らかい笑みではない。
「はい…。だから真琴さん…この花。どうか受け取ってください…!」
勢いよく礼をして、花を前に差し出した。何も考えていなかった。ただ、真琴さんに花を受け取って貰いたくて。反応が無いので、恐る恐る顔を上げると口元を手で覆って顔を真っ赤にした真琴さんがいた。初めて見る表情だ。
「自分の店の花を受け取ることになるなんて…。変な気分です。でも、ありがとうございます。」
泣きそうで、震えた声…、それでも大きい体で私を包み込んでくれた。
「この花の花言葉…、真琴さんなら分かりますよね?」
「…、えぇ、もちろん。」
真琴さんがフワリと微笑んだ。
優しくて、大らかで、大切な真琴さん。
今年はどんな花を咲かせてくれるんだろうか。
もちろん、この花以外でも素敵な花言葉の花はたくさんあったけど、あえてこの花を選んだ。まだ、愛してるなんて照れ臭いから。今はこの花で伝えます。
"ヒマワリ"
私たちの周りでは、花たちが微笑ましく笑っていた。
私の目はあなただけをみつめる。