青春時代を謳歌せよ
新学期。
掲示板に貼られていたクラス表をみると、私は一組だった。
今日から2年生になるということで、当たり前ことながらあるのがクラス替え。
大親友の美優乃とは離れてしまったけど、隣のクラスだったのでそれだけで充分だ。
休み時間に遊びに行こう。そう決めてクラスを探しに行った。
2年1組、2年1組、と唱えながら廊下を歩く。
お目当てのクラスが2階にあることは分かっている。去年までは3階にあった教室も、一階下がった。上まで登るのが精一杯だったから、二年生になった今は少し優越感を感じる。
今年はいっぱい友達できるといいなあ。
なんて思いながらも手は不安ですこし震えているのが現状だ。
実は私は少し人見知りなせいもあってか、初対面の人にはすごく緊張してしまう。特に男子なんかは大変だ。
声をかけてくれても何て返すのがいいのかと困惑してしまって、言葉を紡ぐことができない。本当は声を掛けてくれて嬉しいのにな…。
そうこうしている間に、みるみる相手の顔が不機嫌になっていく。
これがいつものお決まりのパターンだった。
もちろんそれは私の性格のせいでもあるということは分かっている。心底自分の性格を直したいと思った。それでも、苦手なものは苦手で…。
そのせいで、なかなか友達ができずにいた。
そんな時、現れたのが大親友の美優乃。
彼女が優しく声をかけてきてくれたお陰で、友達の輪が広まって、一年生の2学期になってくるとクラスの女子とは話せるようになった。
私を変えるきっかけを作ってくれた美優乃には感謝してる。
それでも未だに、男子とは話せないけど。
だからこそ1年生始めの頃みたいな惨めな思いをしたくないし…最初から友達が欲しいし。要するに、新学期が始まる今日が肝心という事だ。
挙げ句の果てには、放課後一緒に遊びに行ったり、他愛のないことを話したりしたいなあと切実に思う。せっかくの高校生活を思い切りエンジョイしたい。
教室に入って席順の書かれたプリントを見た。そこには一年生の時にクラスが一緒だった子もいた。朝は自分と美優乃の名前を見ることだけで精一杯だった。
それよりも、私の席は…っと。
一番後ろの窓側から二番目に私の苗字が書かれていた。なんといい席だろう。
風当たりもいいし、ちょっと悪いことかもしれないけど居眠りもできる。
一番後ろでよかった、と安堵のため息をついた。
私の両隣は、まだ誰もいない。来たら挨拶をしたいし…。
早く来てくれないかな…。
なんて思っていると隣には女の子が来た。
『お、おはよう』
第一印象は挨拶から始まる…、なんて本に書いていた気がする。
「おはよう。これからよろしくね」
『うん、…よろしく』
良かった…、話せた。挨拶ができた、それだけで大きな進歩だと私は思う。
朝の集合時間まであと5分。もう片方の隣の人はまだこない。
改めて座席表をみると、私の隣には"遙"と書かれている。
良かった女の子みたい…。
新学期早々こんなに運がいいなんて…。神様…、ありがとうございます。
私はいるかわからない神様に無性に感謝をしたくなった。
キーンコーンカーンコーン…__。
HR始まりの時間になった。隣の席の人はまだこない。
今日は休みなのだろうか。…ならしょうがないよね。
その日、結局いつまで経っても私の隣の席の人はこなかった。