婚姻届を書いた日ってほんとーに最悪だったのよB
「なんだなまえ、まだ寝てないのか」
「うん。招待状、書き忘れてる人がいないかもっかいチェックしてた」
書斎のドアがぱたんと音を立て、リビングに近付いてきた足音はテーブルで作業をしている私の隣で止まった。
「あ、ジンさんからさっき連絡来たよ。やっぱ送り先はナイショみたい。『結婚おめでとう。しかし式は出席しねーから招待状も送ってくんな』だってさ。来てほしかったなぁ。ある意味一番お世話になった人だし……会長選挙の時とか」
すると"当時付き合っていた彼"もとい、先日婚姻届を提出しめでたく『夫』となりましたレオリオは、隣の椅子へ静かに着席して、苦々しい顔を床へ向けた。
「あの時は大変申し訳ございませんでした」
「フン。いーい?どんなに謝ったって過去は変えられないのよ」
だからこれからは、今まで以上に私のことを大切にするように。
テーブルに散らかした結婚式の招待状を束ね、チェックを付けた招待リストも一緒に片付けてから、私はレオリオの方へ両腕を広げた。手の動きに合わせてまだ見慣れない薬指の指輪がキラリと光沢を放った。
「もう寝るから、ん!」
「なんだぁ?」
「あのねえ。大切な妻をベッドまで歩かす気?」
そう言うとレオリオは緊張した表情を少し和らげ
「滅相もございません」
と私を抱き上げた。
もしも。
もしも今、絶対ないと思うけどあの時と同じ状況になったらはっきり『別れる』って私は言えるかな?
残念だけど、うーん。やっぱり難しいかもしれない。
だってどうしたってレオリオが大好きなんだもの。
大好きだからこそ、選挙の時も彼が他の女の人とそういうことをした事実が辛かった。1回だけとか、私に似てたとか、相手は仕事でやってる人だったとか。そんなのは慰めにならない。
だからお願い。もう絶対、私のことだけを好きでいてね。
照明を消しながらベッドルームに向かう愛しい頬へ、私は祈るようにキスを落とした。
←back・next→
dream top
INDEX