「痛そう・・・・・・」
さっきからずっとそんなことを口々に言いながら、治療してくれる男の子二人。
どうやら、双子らしく顔がそっくりでどっちがどっちなのか全く見分けがつかない。
確か首のヘッドホンの色がピンクがどちらかで水色がどちらかと聞いたが肝心の名前を聞き流してしまっているので結局二人については何も分からなかった。
魔力と呼ばれる暖かくてほわほわとしたものが段々と自分の中に入っていくのが分かった。
「・・・いたっ」
「あ、ごめんね〜。」
ピンクのヘッドホンの彼の手が傷に触れたため、痛みがピリリと感じられ思わず声を出してしまう。瞬時に謝られたので大丈夫だと首を横に振った。
「それにしても・・・」
「・・・そうなんだよねぇ」
「・・・?」
一旦治療を止めた二人が何やら自分の後で話している。一体どうかしたのかと振り返れば何だか難しい顔をしているのが見えた。
「どうしたんだ?」
「あー、いやね。なんか傷が治るのが遅いな〜と思って」
思わず聞けばそんな返答が返ってくる。
おかしいな〜と二人は首をかしげながら言って、また治療を始めた。
「遅い?」
「うん。普通だったらもう塞がってるはずのも全然だし」
「魔力は足りてるはずなのになあ」
そんな会話を聞いて、何だか余計に力を使わせてる気がして申し訳なる。
「なんか、ごめん」
「いいよ、いいよ。魔力が有り余ってることだけが俺たちの自慢だから!ね、兄貴」
「そうそう!気にせず治されててね〜」
そう言って、また魔力を使い治療してくれる。傷が全然治らない、と彼らは言ったが。チラリと右腕の傷を見てみる。
先程治療されたそこも若干塞がっているだけだった。
「あ、ここは治ったよ」
「よし、こっちも結構塞がってきた!」
水色の彼の声が示しているのは右肩の傷らしい。そのきとピンクの彼もほっとしながらそう言った。
そんな会話を二人に挟まれながら聞いて、申し訳なくなって少しだけ縮こまる。
ほんの少しのかすり傷ですら、光と出会ったあの日から数日経過しているのに若干残っている。確かに傷の治りが遅いらしい。
この二人は治癒師をしている為か魔力量は多いと言っていたがそれでもやはり申し訳なかった。
「終わった〜」
「良かった、ちゃんと治った」
あれから1時間がたった。
ぐっと伸びをしながら達成感に浸る双子。背中やら腹やらの傷は流石に彼らも男の子だし、服の上からでも問題ないらしいのでどうにかなった。
"地味に痛い"という表現がお似合いだったあの怪我は今までは見る影もなくなってしまっていて何だか嬉しい。
なかなか傷が治らない、という何とも言えない問題はあったがこの通り全快したので彼らには本当に感謝していた。
「ありがとう」
二人を見てそう言えば、彼らはそっくりなその顔にそっくりな笑顔を浮かべて言うのだ。
「いえいえ」
「お姉さんの傷が治ってよかったよ〜」