- [ ] 夢主に嫉妬して欲しくて浮気した五条が夢主に捨てられる→夢主の気持ちを取り戻そうと頑張る五条、切甘?

神サイ あなただけ

*五条先生がかっこよくないし、妙に人間味があります。
*五条先生が浮気をしていた描写あり

◇◆◇



「アイツ宛て、ねぇ......」

最近出張続きだったせいで中々借りているこのマンションに帰ることがなかった。五条はいくつか住処を持っているが、五条はやはり"ここ"に帰って来てしまう。"彼女"を期待して彼の足は必ず"ここ"に向いてしまうのだ。

__そこにはもう誰もいないというのに。

久しぶりに帰ったマンションのポストを何となく開く。そこに入っていた広告やらハガキやらと一緒に来ていた手紙のいくつかは"彼女"に送られてきたものだ。

「はあ...」

それを見て思わず大きなため息が出た。五条は大きな手のひらで顔を押さえる。


__分かってる。

___今更後悔したって遅い。


自分は最低なことをした。彼女から笑みをもう貰えないくらい酷いことをした。分かってる。分かっているのに。

「まだ期待するなんて......」

稀代の天才である彼。それを苦しめる一人の女。五条は顔を押さえたまま自分を嘲笑った。

__1番苦しかったのは彼女だ。

分かっているのに、分かりたくなかった。ただ彼女にこちらを気にして欲しかった。けれど手段を間違えた自分にはそれらのツケが回ってくる。割となんでもこなせるけれど、時々五条はとてつもなく不器用になる。そう、たとえば彼女が絡むことに関しては特に。

スタスタとマンション内の廊下を行き、そして自分の部屋に入る。ただいまを言いかけて口を閉ざし、部屋の電気を付ける。見慣れた部屋だというのに何だか落ち着かない。別にものが散らかっているわけではない。ないのに何だか片付いていない気がする。「アイツ」が居ないせいで物は前より少なくなっているはずなのに。散らかっているのは部屋ではなくて自分の心。そんなこと分かっている。


「アイツ」いや、彼女に対して自分は最低だった。彼女は昔からいつだって余裕で、"俺"のことを散々振り回してくれた。まあ"俺"だって散々振り回したが。彼女の方が一つだけ年上だということもあってやはり"俺"のことを年下扱いしてくる彼女が嫌だった。たかが1年だ。されど1年と言われてしまえば、それはそうなのだが、彼女、たった1年の差で何故こうも余裕が違うのだろう。

いつか捨てられないようにな、と傑が昔"俺"に言った。まさかその通りになろうとは。

「本当にざまあないね」

ソファに腰を下ろしぼんやりと前を向く。ここに座っていれば、彼女がたまに横に来て寄りかかってくる。先に五条が部屋にいれば、「えっ、今日は早いね」なんて言って笑う。お互いに負けず嫌いだから昔から小さなケンカは多かったけれど、

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