雨積もりて


私の彼氏はモテる。とってもモテる。とてもイケメンでボーダーに所属していてその上16歳とは思えない落ち着き。モテないわけがない!!
でも彼の一挙一動にキャーキャー言っている女の子たちは知らない。彼が実はおちゃめだったり私の前では甘えたがりだったり。絶対教えてはやらないけど稀に言ってやりたくなる。だから島丸京介は私の彼氏なんだぞ!って。
でもでも、実際はそんなことないし、私が京介の彼女という認知はとても少ない。 これで私がボーダーに所属してたら少しは違ったかもしれないけど、家族も京介も入らないほうが良いって言う。せめて事情を知ってるのが半崎くんじゃなきゃボーダーに広まってくれてたかもしれない。
でもでもでも!現実では、半崎くんはダルいと抜かして広めてくれないし、なんならボーダーでは私ではない女が京介の彼女っていう噂も流れているらしい。こなみって言う女の 先輩。半崎くんが言うには付き合いは私より長く仲も良くて、よく京介がこなみ先輩をからかっては楽しんでるらしい。
なにそれ!!あーもームカつく!!!京介は私の彼氏なのに!私だってそこまで揶揄われたことないのに!

「半崎ムカつく。」
「なに・・・?」
「なんでもない。さっさとノート写して。早くしないと京介が迎えに来ちゃう。」
「ダルっ」

黙々と私のノートを写している半崎にちょっかいをかけてみても気分は晴れない。 ボーダーでの公欠とはいえ私のノートを写させてもらってるわけだからコイツはもっと私に感謝すべきだと思う。考えれば考えるほどムカつく。
「はぁ・・・。」

「ナマエ」
大好きな声がした。教室の戸付近を見渡せば京介の姿。
「京介!早く帰ろ!あ、半崎ノート返して。」
ノートを半崎の机から引っこ抜いてバックに突っ込む。
「は、まだ写し途中なんだけど・・・ダル」


小走りで京介の横に並ぶ。しばらく歩いていれば突然手に溢れる温かい京介の体温。
「あのね、京介・・・、」

窓から見えた空はからりと晴れていて真っ赤な太陽が私たちを照らした。



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