「土産だ」
「え」
「受けとれ」
「お、おう」
「おーい」
「……うん」
「ほらよ」
「どうも」
麗依は一度お土産を貰ってから達磨の誰かと会うたびに何かを貰うことに馴れてきていた。
そして今日も貰ったものを片手にITOKANの扉を開く。入った瞬間に見つめてくる三対の瞳に片手をあげた。
「もらった」
「まじか!」
「またっすか!?」
いつものダン達三人が座る席に腰かけ、お土産として貰ったものをテーブルに置いた。
「これで何回目ですか?」
「えーっと…5,6回くらい」
「うわぁ、すげぇ…」
記憶を辿って指折り数えてみると意外に貰っていた。
最近では山王街にアメ車があっても驚かなくなっていた一同だったが最初は敵襲だ、カチコミだと大騒ぎになっていた、主にダンが。コブラやナオミは案外冷静で貰っておけ、と一言だけ。二人が言うならと麗依は素直に受け取っていたがさすがに馴れたのか達磨とのやり取りも流れ作業のようになってきていた。
「あ!これ雑誌に載ってたやつですよ!」
「は?雑誌?」
「これですよ!これ!」
テッツが出したのはデートスポット等が載った女性人気の雑誌。なんでこいつこんなん持ってるんだ、と疑問に思いながらもその雑誌を覗きこむと女性人気スイーツのページ。ページに載ってるスイーツと麗依が貰ったものを見比べる。
「女性に超人気スイーツ……」
「予約殺到……」
「開店直後に売り切れ……」
「「「まじか」」」
麗依達三人が口をポカーンと開けて雑誌を見つめる。
「これどう考えてもちょっと寄ったから買ってきた、なんてものじゃないっすよ!?」
「たしかにテッツの言う通りや…」
「開店と同時に入らないと無理ですね…」
まさかの超人気スイーツがお土産と称して渡されたという事実に驚きが抜けない四人。そしてはっと麗依が息を飲んだ。
「これくれたの加藤なんだけど」
「「「え」」」
「しかも法被着てた…あいつ、まさかあの格好で買いに行ったの…?」
達磨オリジナルの赤い法被を来た厳つい赤髪の男が一人で朝からスイーツのために並ぶ、そんな事を想像して肩を震わせた。
「……フフッ」
「クッ、な、なんやそれっ…!」
「あ、あの格好でっ…!スイーツ、とかっ…!」
「だ、だめだっ…腹いてぇ…っ!」
想像してお腹を抱えて笑い出した四人。それを見ていたナオミはため息をついてから袋を見た。
人気店のスイーツがたまたま寄っただけで買えるなんてことはもちろんあり得ない。そして買うために朝から並ぶ、なんて普通はしない。その意味にあいつは気づいてるんだか…。
「あ!ナオちゃんもこれ食べよ!きっとおいしいし」
笑って袋の中からスイーツを取り出す麗依にナオミは苦笑をこぼした。
「盾ちゃんたちの分も残しておかないと」
「コブラさん甘いもん好きですもんね」
「あの顔で甘いもん好きやもんなあ……そういうギャップがモテんのかなあ」
「少なくともダンさんには似合わないっすね」
「おい!俺は先輩やぞ!?」
「ギャップがモテるのは本当だけど、ダンがやってもギャップでも何でも無いよね」
「コブラさんだからこそ似合うんすよ」
「俺の扱いひどない!?」
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