合図、スタート
名前がシロガネ山を訪れた日から数日が経った
リーグに戻った彼女が四天王の人たちにこっぴどく説教されたことは言うまでもない
それと、もう一人の幼なじみにレッドのことを話したならば、なぜ無理矢理連れてこなかったと延々説教される羽目になってしまった
レッドは自ら降りてこなければ意味がない、それに私はただ会いに行っただけ、それならあんたが行けばいいでしょ
そう言い返せば彼は押し黙って小さく謝罪しただけだった
その数秒後いつもの笑顔に戻った彼はバトルを申し込んできたが軽くあしらってリーグに戻った
チャンピオンの仕事に戻って数日、自分とのバトルにはならず、ほとんどの挑戦者が四天王に倒されてしまう始末
そろそろバトルの腕が鈍ってしまうのではないかという頃に一人、珍しい挑戦者が来た
数日前に会った彼はあの時と同じ感情を見せない表情で名前を見た
久々に挑戦者が来たことよりも、挑戦者が彼だったことにチャンピオンは不適な笑みを浮かべる
「……」
「いらっしゃい、レッド」
「……」
「その顔は、なんで名前がここに? とでも言いたそうねー」
ことごとく図星を突かれたレッドはふぅ、と小さく息を吐いた
相変わらず連れている彼の相棒は小さく唸った、どうやら機嫌はよいようだ
「私ね、今チャンピオンしてるの」
「そうか」
「だからカントーとジョウト地方では一番強いことになってるの、一応」
「一応……?」
「そ、だってトレーナー全員と戦った訳じゃないもの、もしかしたら私より強い人がいるかもしれないでしょ」
「…………」
レッドとだって戦ったことないもの、と軽く伸びをして腰に装着してあるモンスターボールに手を伸ばす
それを見たレッドもモンスターボールを手に取る
今までのにこやかな顔とは打って変わってチャンピオンらしい、凛とした表情を浮かべる名前
「世間話もなんだし、するんでしょ? ポケモンバトル」
「もちろん」
「……ねぇ、一つ約束してほしい、私が勝ったらシロガネ山に篭もるのを止めるって」
「……わかった」
レッドは帽子を深くかぶりなおしてモンスターボールを高々と放った
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