チャンピオン防衛

 二人のポケモンバトルが開始されてから一時間が経った
 フィールドにいるのはレッドのピカチュウと名前のヌオー、どちらも最後の一匹らしい
 相性ではピカチュウの電気タイプ技を無効化する地面タイプを併せ持つヌオーに分がある

「お互いあと一匹ね、お先にどうぞ」
「……ピカチュウ電光石火」
「ヌオー、地震」

 フィールドが大きく揺れ、ピカチュウの動きが止まる
 効果は抜群だ、ピカチュウがその場に倒れかけるがレッドもすかさず声をかける

「ピカチュウ、ジャンプで避けろ」
「ぴかっ」

 大きな揺れの中ピカチュウが高く飛ぶ
 名前もヌオーに攻撃を止めるよう声をかける
 高く飛んだピカチュウがヌオーに迫る

「ピカチュウそのままアイアンテール」
「ヌオー滝登り!」

 ヌオー目掛けて尻尾を振り下ろそうとしたピカチュウは突如現れた高波に襲われた
 効果は今一つだったがピカチュウのバランスを崩して地面に落とすのには十二分だった
 立つように言うレッドに、追い討ちをかけるようにチャンピオンは言う

「ヌオー、とどめの地震」
「ぬおっ」

 立ち上がり損ねたピカチュウは大きく揺れるフィールドに立つことすら出来ずに倒れた

 決着が付いたのだ

「……」
「……」

 レッドはピカチュウを抱くとそのまま出て行こうと歩く

「……レッド、」
「……」

 名前が呼び止めると何も言わず、振り向こうともせず、その場に立ち止まった
 数秒たってから彼女が再び口を開ける

「……やっぱさっきの約束忘れて、無理強いするのはよくないってこの前グリーンに言ったばかりなのにね……」
「……」

 約束の取り消しともう一人の幼なじみの名前を聞いたレッドの眉をわずかに動いた
 それから何も言わずにリーグから姿を消した



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