08
『名前、サッカーするぞ!』
『待ってよ晴矢』
『んだよ、ふーすけも待ってんだぞ!』
『ねえ、一緒にサッカーしようよ』
『ぼくもいっしょににサッカーしてもいいの……?』
『いいに決まってるでしょ、ね、晴矢』
『おう、サッカーはいっぱいのほうが楽しいからな、早くこいよ!』
『……あ、ありがとう!』
『ねえ君、名前は? 私は基山名前っていうの』
『ぼくは緑川リュウジ!』
懐かしい夢を見た、私がまだお日さま園にいた頃の思い出だ、そういえば晴矢や風介は元気かな、あとリュウジも
確かリュウジは一人でことわざの本を読んでいたのを覚えている、私がサッカーに誘って、それからみんなと打ち解けられるようになったんだよね、確かみんな、まだサッカーしてるのかな……、みんなに、会いたい
「晴矢、風介、リュウジ……」
感傷に浸っていても始まらないので身支度をすませてお義父さんたちの朝ご飯を用意して学校へと向かう、途中で士郎と会って二人で手を繋いで走った
学校に着けば既にみんな準備を終えていて私と士郎は雷門イレブンのユニフォームを手渡され着替えることになった
「わあ!」
「似合ってるよ吹雪くん、名前ちゃん!」
「ありがとう、白恋中は絶対守るよ」
「私も、んー、ちょっと胸のあたりが苦しいかも」
思わず苦笑いを零せばその場にいた殆どが顔を赤らめる、思春期にはちょっと恥ずかしい内容だったみたい
「名前はおっぱい大きいもんね」
「ふ、吹雪くん!」
珠香ちゃんが茹で蛸のように顔を真っ赤にしている、ふふ、可愛い
それから紅白戦を始めるらしくチーム分けをした、士郎とは違うチームになってしまった、寂しい
士郎はFWを任されてしまって私が少し不安になってしまう、ちなみに私もFWになった
合図で始まった紅白戦、風丸くんがキープしたボールを持ち前のスピードで奪う士郎
そのままパスを回せと言う鬼道くんたちを無視してアツヤに交代した
「よっしゃああああっ!」
ぶっちゃけますと私はFWなのでやることが無く、ただぼうっとアツヤの動きに見取れていただけだった
まさに風のごとく上がっていくアツヤ、ゴール前まで行った所で染岡くんの制止の声が上がり、アツヤは士郎へと戻ってしまう
そそくさと士郎の元へと行けば染岡くんが士郎に文句を言っていて、パスを回さずワンマンプレーをしていたことを怒っているらしい
「だって、僕いつもこうしてたし……ねぇ、名前?」
「うん、士郎か私が点取ってたからこれが当たり前になっちゃってたのよね……?」
「白恋じゃそうでもうちじゃ通用しないんだよ! 俺たちのやり方に合わせろ!」
「そういう汗臭いの疲れるなぁ」
「誰が臭いって!?」
どうも染岡くんは士郎のことが好きじゃないらしい
まあワンマンプレーをしたのは士郎がいけないと思う、けど悪いのは士郎だけじゃない、個性を理解しようとしない態度もいけないと私は思う、余計ややこしいことになるのとわかっているから言わないけど
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