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「みんな、ごめんね、こんな話しちゃって」
「いやいいんだ、むしろ話してくれてありがとう」
名前のこと知れてよかったよ、とキャプテンが言ってくれて僕の中の罪悪感も少し和らいだ
監督を見やればみんなと同じ表情で、監督もみんなと同様このことを知らなかったみたいだ
気を取り直して練習よ、監督の言葉に渋々といった様子で病室を去っていくみんなを横目に、僕は名前のそばにいたいと申し出て残る
みんなが去った病室は再び静けさを取り戻して窓から入ってきた風がカーテンを靡かせた
大丈夫だよ名前、克服できるまでずっとそばにいるから、握った手に力を込めればぴくりと反応した
「! 名前!」
「し、ろう……」
「目が覚めたんだね、今看護師さんを呼んで、」
「行かないで」
ぎゅっと僕が離そうとした手に力を込め小さく言った名前の顔は今にも泣きそうで、僕は上げかけた腰を再び椅子に収めた
ゆっくりと名前が上半身のみ起き上がらせてうつむくと再び僕の名前を呼ぶ、士郎と
何度も何度も僕と敦也の名前を交互に呼び続けた、まるで怖い夢を見た子供が親を呼ぶように
だんだんと繋いだ手の力が弱くなりやがて震えだす、僕らを呼ぶ声もか細くなっていきとうとう嗚咽が混じる
「しろう、あつや、どこにも行かないで、そばにいて、こわいよぉ」
僕は漫遊寺でおじさんたちのことを告げられたときのように、泣き崩れた名前をただ抱き締めた
ここにいるよ、どこにも行かない、ずっとそばにいるよ、名前の背中を優しく叩いて落ち着かせようとすれば僕の背中に手が伸びてきてジャージを握る
だいぶ落ちつきを取り戻しているらしく繋いだ手から伝わる震えも収まってきた
小さくないていた声も嗚咽で震えていた身体も静寂を見せ始め完全に落ち着いた名前は僕の顔が見られないのか俯いたまま小さく謝った
「ごめんね、明日はイプシロン戦なのに」
「名前は気にしなくていいよ、むしろ僕のほうこそごめんね、あんなこと言っちゃって」
「……いいの、アツヤの気持ちは嬉しかったから」
そう言われるとちょっと妬いちゃうなぁ、冗談交じりに答えると名前が小さく笑って顔を上げてくれた
目尻に涙を溜めて微笑んだ名前をいつの間にかオレンジになった夕日が照らしていて綺麗だった
それから僕は看護師さんを呼びに行くと一緒にお医者さんが来て、もう大丈夫だけれど今日は大事を取ってここで寝なさいと言われた
明日の試合には出ても問題ないと言われて嬉しそうに顔を綻ばせる名前に僕も頬が緩んでしまった
じゃあね、と名前に微笑んで僕は再び特訓場まで戻った、明日はイプシロン戦だ、絶対に勝ってやる
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