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「お前には聞こえないのか、あの声が」
「声……?」
豪炎寺くんが言っていた声が何なのか分からず僕はただ立ったまま、みんなを見ることしか出来なかった
みんなが必死にボールを追いかけて、奪い、奪われ守っている、それが当たり前なのだけれど次の瞬間、豪炎寺くんの言いたかったことが分かった
「(吹雪!)」
僕にパスされたボールに触れた途端に目の前が明るく光った気がした
みんなの声が聞こえる、みんなの思いが込められたボールが今目の前にある
一人ぼっちの暗い闇の中に一筋の光が差す、それはだんだん広がっていき光の中から二つの手が差し出された、一つはキャプテンの、もう一つは
「士郎は一人じゃないんだよ」
僕が楽しいときや苦しいとき、辛いときもいつだって隣に居てくれる名前の手だった
その二つの手を握って立ち上がれば僕もみんなと同じ光の中に包まれていて、もうどこにも暗闇なんて存在していなかった
そうだったんだね父さん、完璧になるって言うのは僕がアツヤになることじゃない、仲間と一緒に戦うこと、一つになることなんだ
「そうだ、兄貴はもう一人じゃない」
敦也の声が聞こえた気がした、それと同時に不思議な開放感に満たされた僕はようやくあの時の名前の言葉の意味を理解することが出来た、僕は僕なんだ
ボールと共に高く跳び上がり敦也の形見であるマフラーを外した、そのときにちらりと見えた名前の顔は泣きそうだったけど笑顔だった
「士郎!」
「名前、ありがとう」
「名前! 気がついたのか!」
「ほんとだ良かった!」
僕を呼ぶ声に名前の目が覚めていることにようやく気がついたのかみんなが喜んでいる
吹っ切れた僕は豪炎寺くんとパスを出し合いジェネシスサイドに攻め上がる、心なしか体が軽いような気すらする
「これが完璧になることの答えだっ、ウルフレジェンド!」
小さい頃に名前を驚かせようと内緒で敦也と作った必殺技はプロキオンネットを破りゴールに突き刺さった、これで同点だ
「ありがとう豪炎寺くん」
僕の言葉を聞いた豪炎寺くんは静かに眼を閉じた、良かったなとみんなの言葉を聞きながら試合の続きが始まる
そして、立向居くんの諦めない心がムゲン・ザ・ハンドを進化させ、グランの流星ブレードを止めてみせた
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