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 立向居くんの自信も取り戻しこれからだというときに、またあのモニターが父さんを映し出した、そしてジェネシスに対してリミッター解除という言葉を言い放つ
 リミッター解除とは具体的にどんなことなのか私には分からない、けれど絶対にしてはいけないことだとは理解できた

「父さん! そんなことをしたらみんなが……!」
「怖気づいたのですかグラン、あなたにはがっかりです、ウルビダ、あなたが指揮を執りなさい」
「はい、お父さま」

 それだけ言うとモニターは消え試合が再び動き出す、円堂くんがボールを持って上がっていくのを余所に、玲奈を筆頭にジェネシスはユニフォームの一部を触りリミッターとやらを解除した
 するとどうだろう、今までとは動きがまったく違いボールを取られた円堂くんすら目で追えな、脚力も何もかもが飛躍しボールを奪うチャンスすら貰えない
 これがリミッター解除、人間が限界を超える力を出さぬよう無意識に制御しているものを脳に何らかかの信号を送りその制御、つまりリミッターを解除したということ

「父さん今すぐ止めさせて!」
「そうさせたのは瞳子、お前なのだ」

 強制的に人間の限界を超える力を引き出すことが出来るがそれと同時に彼らを危険に晒しているのも同然
 脳が無意識に制御するって事は逆に考えればそれを外せば人体にどんな影響を及ぼすか分からぬくらい危険であるという証拠
 まだ発育途上である彼らの身体には負担が大きすぎるサッカーが出来なくなるだけではない、最悪死に至ってもおかしくはない

「お父さまの望みは私たちの望み!」

 ボールを持った玲奈が雷門ゴールへと上がっていくので私は玲奈を追いかけながら声を荒げた

「玲奈っ、由宇、君之、恭馬! みんなやめなさい! そんなことしたらただじゃ済まない!」
「うるさい黙れ! せっかく父さんが用意した席を蹴ってまで敵側に付いたお前に指図される覚えはない!」
「っ、」

 私の言葉は一蹴され、ジェネシス最強の必殺技と言うスペースペンギンはムゲン・ザ・ハンドを打ち破りジェネシスが勝ち越した
 途端に自らの身体を抱きしめ全身に響き渡る痛みに耐えるヒロトたちに、自分の無力さを痛感した
 父さんのためだと自分たちに言い聞かせる玲奈と由宇そして弟のヒロト、彼らの身体が少しずつ壊れていくのを私はただ黙って見ているしか出来ないのだろうか

「何だよこれ、ヒロトですら、ジェネシスですら道具なのかよ……!」
「もう止めてよ……」

 力なく父さんを見上げれば表情は満足げで、これが父さんの望んでいた現実なのだと知らされた
 あの日瞳子さんと再会し、ジェミニのリュウジを見て、瞳子さんに真相を聞かされたときに父さんの間違いを正そうと決めたのに、現実は少しも変わらない
 どんなに頑張ってもどんなに言葉を掛けようとも誰一人として変わらないじゃないか、私は何のために頑張ってきたんだ、もうここが限界なのかな

「士郎」
「名前……?」

「私、もうだめかもしれない」



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