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「何言ってるの? 名前?……名前!」
ここにきて名前が限界を迎えてしまった、無表情で瞳からただ涙だけを流す名前に僕らもジェネシスも、そして吉良さんも、目を見張った
名前がどんな思いでこの戦いに臨んでいたのかは僕を含め誰も解かっていないが相当の覚悟を持ってここにいるのだろう
それこそ地球の未来を賭けて戦っている僕らとは違う、もっと他の大きな何かを賭けて、名前は戦っている
「名前駄目だ、こんなところで終わっていいわけがない!」
「でも私は、何の役にも立ってない……」
名前の肩を掴み揺らしても反応はなく、虚ろな眼が僕を見つめる
今まで名前は試合に出れなかったことや一時離脱をしたことをずっと気にしていたのだろう、弟のヒロトくんを説得できていないことも名前にとっては自責となっていたんだ
そしてさっきの訴えも振り払われ、とうとう名前の心は音を立てて崩れた
「名前、しっかりしろ!」
「基山、お前は十二分に役割を果たしている」
「名前が役立たずなわけないじゃん!」
「そうッスよ名前さん!」
「名前姉!」
みんなの声が届いていないのかただうわ言のようにごめんなさいと呟く名前に、交代させようと誰かが言う
それじゃあ駄目なんだ、そんなことをしたらまたあの時の僕みたいになってしまう
「姉、さん」
ヒロトくんの声にも反応は見せず、もう本当に駄目なのかと思ったときだった
「名前! しっかりしなさい!」
瞳子監督が名前に向かって叫んだのだ、これも反応なしかと思われたが名前が顔を監督のほうへ向けた
「あのとき、私と一緒に戦ってくれると言っていたのは、あれは嘘だったの?」
「……」
「私の知っている名前はこんなところで諦める人間じゃないわ!」
「……瞳子、お姉ちゃん」
「! 名前!」
「基山!」
瞳子監督と名前に血の繋がりはないのだが、監督を確かにお姉ちゃんと呼んだ名前の瞳にはしっかりとした光がある、監督の言葉が名前を絶望の淵から救ってくれたのだ
みんなが安堵の表情を浮かべる中キャプテンがハーフタイムのときは逆に、名前の前まで来て頬を叩いた
ぱしん、と先ほどのよりはいくらか軽い音がして、名前の頬がじんじんと赤くなていく
「これは諦めない名前の分、……って何か変だな」
諦めかけていた名前へ、今までの名前が怒っていると伝えたかったのだろうがちょっと伝わりづらい言葉になってしまったのかキャプテンがしっくり来る言葉を模索し始めた
そんなことをしなくてもここにいるみんなはちゃんと解かっている、特に名前は、文字通り痛いくらいに理解しているだろう
「ふふ、円堂くんありがとう、……弱気になってごめんなさい!」
これまたハーフタイムでのキャプテンを同じく、深々と頭を下げた名前の表情はしっかりと吹っ切れていて涙も止まっている
心配したぞ、と塔子さんが名前に抱きついてじゃれ合うのを見て少し羨ましく思った、と言うのはさておいて、試合が再開した
さらに絆が深まった雷門イレブンの動きは、リミッターを解除したジェネシスを上回った
しかしキャプテンが豪炎寺くんに回したパスとカットされてしまう、このままではボールはピッチ外へ出てしまう
何としてもこのボールは繋ぐ、チームのためにも、名前のためにも
「豪炎寺くん!」
何とか間に合った僕は豪炎寺くんへとパスを繋ぐ、威力の上がった爆熱ストームが時空の壁を破るもゴールを外れ上空へ、すかさずキャプテンが僕たちにパスしてくれる
そして僕と豪炎寺くんがそれぞれ青のと赤の炎を纏う必殺シュートが決まった、これで同点!
「豪炎寺、吹雪!」
「士郎!」
「これはみんなで取った一点だね」
「ああ!」
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