雪月 ─ ゆきづき ─

「わたしは亡霊だから。何をしても、意味を残せないんだよ」
「……死ぬ前に、生きている間に知りたかったなあ」


■基礎情報
種族:★ファイアロー
特性:はやてのつばさ
性格:むじゃき
性別:女
年齢:享年13歳
身長:156cm

一人称:わたし
二人称:あなた

■背景
 クロユリ団色違い研究所に生まれた生物兵器予定であったポケモン。高個体の親の掛け合わせられたサラブレッドであり、鑑賞用として最有力候補であった。早い段階で色違いが生まれてしまったため、有り余ったヤヤコマの卵は孵化させて高個体の者は同胞同士の殺し合いを、低個体の者は雪月が受ける予定の実験を試されていた。生物兵器にすべき個体であったため、隔離をされていた雪月は同胞たちの凄惨な状況を知る由もなく。翼を持つ種族なのに空を知ることもできず。苦痛や悲しみといった感情を覚えることもできず。無知なまま紅羽に惨殺された
 死は雪月の物語の終わりではなく、序章に過ぎず。クロユリ団に深い憎悪を抱く鬼々に魂を捕縛され、散り散りとなった胴体や四肢等を修繕された。死者の魂と死体が結び付けられ、アンデッドとなった。鬼々の従者と化してしまったため、命令に逆らうことはできず。意思も自由も蹂躙されたまま、鬼々の復讐に手を貸している。

■特徴
 永遠の眠りについたはずの雪月が再び目を覚ましたのは雪の降る夜のこと。遠くからベルの音や幸せを孕んだ人々の笑い声を聞こえていた気がする。未成熟の少女として機能を停止したはずの身体は20代後半程だろうか。大人の女性として成長をしていた。どうしてわざわざ成長させたのか。いつだったかその疑問を鬼々にしてみたら、彼は「殺したはずの存在が時を経て前に現れたなんてぞっとするだろう」と。歪な笑顔を浮かべて言う彼にこれ以上掘り下げることをやめた。どう足掻いても自分の身体は誰かに改造されるものなのかと憂鬱な気持ちになりながら、それならいっそ研究所で刻まれた項にある『Ⅻ』の焼き印も消してほしかったと少し恨みがましく思った
 雪月の死は研究所の壊滅と同時期であり、弟は自分だけではなく他の同胞も殺したらしい。それに気付いたのは死体に結びついている魂が憎悪の塊に蝕まれていることを自覚したときのこと。夢の中で誰かがずっと憎悪の言葉を囁き続ける。蠢く影に引きずり込まれる白昼夢を見る。自分を最も蝕んでいるのは同胞たちなのだと理解したときには時既に遅し。雪月の存在は無垢で無知なものであっても、魂は汚染され、美しい紅の翼が少しずつ黒く変色し始めている

■ポケモンバトル
技構成:ブレイブバード・だいもんじ
    かえんほうしゃ・おにび

 クロユリ団で受けてきた実験の成果は死体になってからも残っているようで、炎を遠隔操作ができる。雪月の近くで燃える炎は黄色く距離が遠くなるにつれ、黄色から白色へ、白色から青色へ変色する。炎を扱っている間、代謝異常が生じて体温が異常に高くなる。死体は防腐処理をされているため心配いらないが、皮膚に熱帯びてくると項の焼き印に痛みと痒みが生じるため悩みの種となっている。
 翼を生やすことはできるが、黒ずんだ翼は鉛のように重く空へ飛び立つことはできず。動かす身体は死体のため調子が悪い日は動きが鈍い。そのため、肉弾戦は不得手だ。

■自宅関係
紅羽『憎悪をもってわたしを殺した弟』
「……別に、興味ないよ」
 14年前、紅羽は研究所で搾取され続ける屈辱を味わい続けてきた。そして、大切な半身を失ったらしい。その半身とやらを雪月は知らないが、彼に殺されている間「どうして俺やあいつに似た形でそこに在るんだ。どうしてあいつが、俺らがこんな目に遭わなければならないのだ」と、悲鳴のような言葉を聞き続けたので恐らく実験か殺し合いの最中に死亡したのだろう。その憎悪を晴らすように受けた屈辱を痕跡1つ残さないように、刻み潰しと惨たらしく殺された。それでも一応血の繋がる姉弟である。だが、憎悪と殺意の繋がりしかない希薄な関係だ。
 もしも彼がわたしを殺さず、見逃してくれていたら今頃わたしは青い空に触れることができたのかもしれない。蘇生し、広がる空を始めて目に映したときに初めて抱いた感情。胸を焦がすような思いは紅羽の姿を目にすると憎悪と殺意に変色しそうになる。その感情を隠すため、目を閉じ耳を塞いで足早を立ち去るようにしている。本当は近寄らないことが1番なのだが、縁があるのか行動が似ているのか、時折その背を目撃してしまう。

蛙葉『初めて尊敬という感情を教えてくれた人』
「蛙葉は、本当にすごいね」
 クロユリ団色違い研究所に生まれ、妹に殺され、鬼々の従者となってこの世に蘇った。同じ道を辿っているはずなのに、彼はよく笑う、よく楽しそうに声をあげる。どうしてこんなにも違うのだろう。それはどうやら表情に出ていたようで、蛙葉は「俺は生きることを諦めて、あの子に殺されることを請うた臆病者だからね。唯一の違いが大きな差を生んだんだろうね」と、語ってくれた。あの子と呼ばれている子は同じ研究所で生まれた妹のようで、蛙葉にとって妹は愛しい存在らしい。眠れぬ身体を持った者同士、長い夜の時間を過ごすためにたくさん語ってくれたのだが全く理解できない感情であった。
 行動を共にしていることが多く、傷の舐めあいをしているように見えるがお互い理解できないことが多いため舐めえないというのが実際のところ。だが、理解できない部分は尊敬している。蹂躙され続けてきた人生の中で唯一雪月を尊重してくれる存在だ。

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