ひとひら

「僕はこの森の案内人。引きこもって随分と経つからね。もしかしたら森の主よりも詳しいかもしれないね」
「ぴえっ。な、泣いてないよ! さすがに泣き虫は卒業したもん、意地悪されない限りは!」


■基礎情報
種族:エンペルト
特性:げきりゅう
性格:男
性別:さみしがり
年齢:38歳
身長:178cm

一人称:僕
二人称:貴方

■背景
 セイショウ地方の惨劇と語られるポケモンと人間の戦争。終戦を迎え、大半の地域は復興作業も終えて数十年。あの時代を知る者も少なくなった今も当時の争いが尾を引き、抗争が続く廃れた町があった。群れを率いるのに相応しい種族として選ばれた兄と姉は抗争の最前線に立ち、当然同族のひとひらも戦力として期待されていた。しかし、優しすぎるひとひらは敵だと分かっていても手を差し伸べ、応急処置を施してしまう。加えて、遺伝的に潜在能力はあるはずだが臆病で弱虫なためいつも敵前逃亡をしていた。その姿を見守っていた兄と姉は自分たちは戦闘狂の気質もあるから意外とこの環境を楽しんでいる節もあるが、望まぬひとひらを自分たちの都合で留めておくのは哀れだろうと考えた。だが、理由なく逃げろと言えばひとひらが足手まといになるから突き放された。もしくは自分が弱いせいで兄と姉を見捨てることになったのだと気に病みそうだと頭を悩ました。そして、物心ついていない末っ子のゆるりを守るためにもこの町から逃げろと告げることにした。この時、兄と姉は自分たちが戦いを楽しんでいることを伝え忘れたせいで2匹を置いて逃げたことをひとひらが何十年と悔いることになるとは思わず。永遠の別れとなった。
 ゆるりを連れ、宛もなく旅を続けたひとひら。その道中で野生として生きるためのサバイバル術を独学で身につけた。旅の最中に出会ったポケモンに傷付いたポケモンたちを癒し、巣立つ日が来るまで守ってくれる紅の森の存在を聞いた。休息を求めたひとひらは紅の森を探し、無事に辿り着くことができた。以降、紅の森で出会った友が旅立とうと、ゆるりが巣立とうと。ひとひらは紅の森から出ることをせず住み続けた。今では森の案内人として迷い込んだ人間に帰り道を示し、訪れたポケモンたちの世話をしている。

■特徴
 ポケモンと人間、時にはポケモン同士で繰り広げられる熾烈な争い。弾ける音も燻る臭いも凄惨な光景も、穏やかなひとひらにとってどれも恐ろしいものであった。そして、妹のゆるりを守るために兄と姉を置いて故郷から逃げる選択。身も心も弱い自分が兄と姉を見捨てた、妹を理由に使ったとのだと何十年経った今も悔いている。ゆるりと共に紅の森で暮らしている間は兄としての責任感と意地で根深く残る心の傷を見せないようにしていたが、ゆるりが紅の森から旅立って以降緊張の糸と共にぷつりと切れた。無理していた反動で抱えていた後悔と恐怖心が一気に押し寄せてきた。紅の森の外は故郷のように戦火が飛び散る環境で無いことを理解していても恐ろしくて外に出ることができず。眠れば夢となってあの恐ろしい日々が繰り返される。ほんのひと握りの者しか知らないことだが、もう十年以上まともに眠れずにいる。長きに渡る不眠のせいで体調はかなり悪く、人知れず嘔吐していることもある。本人は顔色に出ないから気付かれていないだろう、よかったと安心しているのだが……何せ嘘が壊滅的に下手な男である。不調が顔色に出なくてもカマをかけられたらすぐに表情と仕草に表れるのだ。ひとひらの不眠症を知らない者たちには彼を見た目通り病弱なのだと認識され、過保護に世話を焼かれている。
 美紅たちを除けば紅の森の住民たちの中で最年長であり古参であるひとひら。アラフォーという歳も歳なので、弱さ極めているから物理的に守ることはできないけれど心を支えたり子守りしたりとお兄さんするよ! と凛々しい表情を浮かべようとしている。だが、根本的には頭の中は花畑で敷き詰められているのではないかと心配される無防備さ。打たれ弱く泣き虫な一面。そして小さな子たちに愛されている様子。極々稀に年相応種族相応に頼もしい姿を見せるが、基本的に精神年齢幼稚園児だと思われている

■ポケモンバトル
技構成:ステルスロック・あくび
     こごえるかぜ・うずしお
持ち物:ふうせん

■自宅関係
ゆるり『大事な宝物』
「ゆるりちゃんだけも、守ってみせる」
 兄と姉に託された守るべき存在。弱い自分では戦火が広がる故郷ではゆるりを守ることができないので、ゆるりだけを抱えて故郷を捨てることを決意した。自分が強ければ兄と姉の力になり、共に戦うことができたかもしれないのにと選択を悔い続け、ゆるりには心配かけないようにとその気持を隠している。……嘘も隠し事も壊滅的に下手なのでばればれなのだが、ひとひらは上手いこと誤魔化せていると思っている。
 紅の森で生活しているうちに強くなるゆるりと見守り、もう自分の手はいらないのだと思ったところで張り詰めていた気が途切れた。ゆるりが森を出て行ってからは情緒不安定となりますます塞ぎ込むようになったので、守られていたのはひとひらの方なのだろう。

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