02 ( 2 / 3 )




ソロステージは前半らしく、後半部分はまたウギョルハウスで収録するらしい。
僕の休みって、本当移動時間くらいだよね。

ウギョルハウスに戻ると、テーブルの上に1枚の紙が置かれているのが目に入る。
アンケート用紙っぽいけど…それにしてはなんとなく、不思議な気がする。



「…それ。」

「なに、これ。テグンは知ってるの?」

「前に…番組でやったやつ。」



どうやらこのアンケートのような紙切れは、テグンには見覚えがあったらしい。
なんでも、VIXXが出た番組で埋めたプロフィール用紙みたいなもの、らしいけど…。

これ、いろいろとプライベートなことも書かなきゃいけないんだよね?
めんどくさいな。



「で、なに。僕はこれを書けば良いの?」

「…みたいだな。」

「そう…。まあ良いけど。」



これを僕が書いてなにが面白いのかは解らないけど、そもそも仮想結婚という番組自体何が面白いのか解らないから気にしない。
こんな番組、ファンからしたらただただ心臓に悪いだけだろうからね。

面倒とは言え、さすがに適当には書けない。
悩むこと数十分…ようやく書き終えた。

意味が解らないものは検索したし、テグンにも訊いたからなんとなくは解ったけど…。
やっぱりこれ、僕が書いたところであんまりおもしろくはないよね?



「出来た。」



僕が書いた内容は、これ。

名前 : ミンス
生年月日 : 1991年 4月 23日
ポジション : BEASTの顔、ラップ、ダンス
座右の銘 : ギリギリでいつも生きていたいから
身体条件 : 身長 162cm / 体重 - / 血液型 B
経済能力(財布の中身は?) : 100ウォン
外国語スキル(上/中/下) : 日本語韓国語 上
パソコン活用能力(上/中/下) : 愚問だね
僕は○○の達人 : ユンドゥいじめ
自分の長所 : 顔が良い、自由
自分の短所 : 血の気が多い、喧嘩っ早い
最近ハマっていることは? : ユンドゥいじめ
最近興味を持っているものは? : Windows
最近出来た習慣(もしくは癖)は? : ドゥいじめ
ジンクスは? : ない
習ってみたい分野は? : ない
好きな食べ物は? : ない

チーム内ランキング1位は?
体力(ギグァン)
IQ(ミンス)
EQ(ドゥジュン)
トークの腕(ジュンヒョン)
食べっぷり(ジュンヒョン)
スタイル(ヒョンスン ミンス)
ユーモアのセンス(ヒョンスン)
ファンサービス(全員)
ステージマナー(ドゥジュン)
愛嬌(ドンウン ヨソプ)

結構頑張った方だと思うよ。
これだけあって飽きだしたのがジンクスは?、からなんだから褒めて欲しい。

真面目に答えた方だと思うしね。
座右の銘に関しては少し、悪ふざけだけど。



「真面目に書いてあげたよ。」

「………最後だけ?」

「全部に決まってるでしょ。」

「(真面目ってなんだ?)」



テグンが何を思っているかは解らないけど、真面目に書いたとは思っていないんだろう。
その証拠に、"最後だけ?"なんて訊いてるし。

プロフィールのようなアンケートのような、イマイチ理解出来ない用紙を埋めたらあとはのんびりしても良いらしい。
まあ、夫婦らしくしろと書いてはいたけど、僕たちに"夫婦らしさ"というものは元からないし大丈夫だろう。

ソファーにもたれかかり、ソファーの上にちょこんと座っていたハム五郎を抱き締める。
補足だが、やっぱりスーにはエンの香水のような香りが僅かに移っていた(ばかだよね)。



「…なまえ、本当に好きなんだな。」

「ハム五郎はかわいいからね。スーは香水の匂いがするから、消えるまでは触らない。」

「…香水?」

「うん。エンの香水。」



ハム五郎を抱き締めていると、本当に好きなんだな、と言われたので頷く。
すぅのこともチラッと見ていたから、触れないことが気になったんだろう。
だからスーに触らない理由を言うと、テグンは不思議そうに首を傾げた。

「あいつ香水使ってたか…?」と呟いているけど、まあなんにせよ、何かの匂いが移っている間はあまり触ろうとは思えない。
僕は自分が好きだと思った匂い以外は好まないから、消えるまで待っている。
正直スーは…すごく、かわいいんだけどね。



「匂い…する?」

「する。嗅げば解るよ。」

「…いや、良い。」



匂いがするかと訊いてきたわりには、嗅げば解ると言っても嗅ごうとはしないテグン。
あまり、人やモノについた匂いを嗅ぐのは好きじゃないんだろうか。
いや、僕も好きじゃないけど。

テグンはスーをジーッと見つめる。
触りたいのなら触れば良いのに、と思ってスーをテグンに手渡すが、テグンは受け取らない。
僕が言うのもアレだけど、テグンもなかなか捻くれていて素直じゃないよね。



「好きなら触れば良いでしょ。」

「…ん。」

「…っ、いや、そうじゃ、なくて。」



好きなら触れば良い。
確かに僕はそう言った。
だけど…。

テグンに好きなら触れば良いと言うと、テグンが触れたのはスーではなく…僕。
撫でるように僕の頭へ遠慮がちに手を置き、そっと髪の毛を流すように触れた。

そんな些細な行為に緊張しないほど、僕にはもう抗体は残っていなくて。
思わず身体が強張り、身体…と言うよりも主に顔全体が熱くなる。

これは、テグンなりの夫婦の演技なのに。
僕が動揺してどうするんだ。

テグンのこの優しい手付きを無理に振り払わないのは、決して心地よくて気持ちが良いとか、そんなものじゃなくて。
ただこれが番組だから…だから、僕はテグンを放置しているんだ。

…なんて、言い訳かもしれないけどね。



prev next


ALICE+