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僕の話しのせいで、少しだけ重たくなってしまっていた部屋の空気。
それを入れ替えるかのように、スタッフが用意した食材で料理することになった。
僕、あんまり料理しないんだけど。
宿舎のときもドゥジュンとかに任せっきりだったし、一人暮らしになっても料理らしい料理は一切していない。
そう言えばテグンは…料理出来るのかな。
「…これで何が出来るの…。」
「チーズトッポッキ、チャプチェ、ラーメン、キムチチヂミ…くらいか。」
「…詳しいんだね。」
キッチンに並べられた食材を見ても、僕には何が作れるのかすら解らない。
それを呟くと、間髪入れずにテグンから作れるものを教えられた。
でも、これで確り解ったよ。
テグンは料理が出来る。
僕だって出来ないことはないけど、作れるものと言えば日本料理くらいで、それすらも特別凝ったものは作れない。
得意なのは玉子焼きと目玉焼きくらいだしね。
「…なまえ、料理は?」
「ドゥジュンにさせてた。」
「………。」
テグンからの視線が、痛いような気がする。
今どきの女の子であれば、料理を作れるのは当たり前なのかもしれない。
だけど僕は今どきなんかじゃないし、そもそも男所帯に放り込まれていたんだ、いまさら女の子らしさを求められても困る。
取り敢えずはテグンに従った方が良さそうだ。
テグンはまな板やフライパンや包丁などの必要道具を取り出し、手際よく料理を作る。
ドゥジュンが作っているところなんて見たことなかったけど、ドゥジュンもテグンみたいに手際が良かったのだろうか。
…いや、想像するのはやめておこう。
イメージと違って、気持ち悪い(失礼)。
「テグン、僕は何をしたら良いの?」
「あー…野菜、洗って。」
「冷たいのは嫌だ。」
「…お湯にしたから、ほら。」
「ん。」
何をしたら良いのかと訊けば、野菜を洗ってほしいのだと頼まれた。
凝った料理は無理でも、切ったり洗ったりは出来るから大丈夫だろう。
でもテグン。
キミは僕が料理は壊滅なんだろうとでも思っているかもしれないけど、簡単なのは作れるし火も使いこなせるんだからね。
面倒だから、あとは特に何もしないけど。
「テグンは宿舎でも作ってるの?」
「…まあ。他の奴らに任せたら、怖いし。」
「ふぅん。ダークマターでも出来そうだね。」
「ダーク…?」
テグンは僕が言った"ダークマター"を理解していないみたいだけど、気にしない。
VIXXの中では、テグンと…あとラヴィくらいしか料理姿がしっくりこないな。
出された食材を順番に洗い、テグンへと渡す。
テグンは馴れた手つきで食材を切って、どんどん料理を進めていった。
本当、料理が作れる男ってすごいよね。
ジン兄が料理なんて…してるか。
「出来ましたー。」
「…棒読み。」
「だって僕、作ってないもん。」
やっと出来上がったのは、チーズトッポッキ、チャプチェ、キムチチヂミの3品。
テグンが可能だと言っていた他の料理は僕があまり好まないから、避けておいた。
チャプチェも食べない方なんだけどね。
テーブルに並べて、トッポッキからパクリ。
辛味が物足りないような気もしたけど、これはこれですごく美味しいと思う。
「テグン、これ美味しい。」
「ん。」
「…照れてる?」
「…見るな。」
美味しい、とテグンに素直に伝えると、テグンはそっぽを向いた。
そっぽを向いても見える、真っ赤な耳と頬。
たぶん、恥ずかしがり屋なテグンは素直に言われて照れているんだろう。
僕ってあんまり、素直にはならないし。
照れてる?、とからかえば、テグンの鋭い目にキツく睨まれる。
だけどそんな目付きにはもう慣れているし、全然怖くないから笑えてしまった。
本当、テグンはすごいよ。
蓋をしたいのに、そんな蓋をいとも簡単に取っ払おうと無意識にでもしちゃうんだから。
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