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4minuteたちと別れ(ヒョナは最後まで嫌だと我儘を言っていた)、向かうのは別の場所。
どうやら事務所から離れるらしい。

今回はギグァンとエンも居るし、僕に場所を知られたくないとかで中からも外が見えない加工をされたバンで移動することに。

車が走ること数十分。
ここまでの車の経緯は解らないけれど、バンを降りて目眩がした。
こんなところに、ふたりと親しい人間が本当に居ると言うのか?



「どう?驚いた?」

「ふたりの交友関係に驚いた。」

「俺も。」

「意外と顔が広いんだよ!」

「どうなんだか…。」



連れてこられたのは、あの大手事務所。
S.M.Entertainmentだ。

顔パスとでも言わんばかりに軽々と入り口から事務所に入っていく。
公式の入り口はファンでごった返しているからと、別の場所から通された。
まあ、放送されるまでバレちゃだめだしね。



「…ワオ。」

「え、ちょ、え!?会いに来る人ってミンスくんだったの!?」

「お久しぶりです、オンニ。」

「…久しぶり、アンバー。」



通された部屋に居たのは、SM事務所が誇るであろう女神たち、少女時代のメンバーとf(x)のメンバーだった。
少女時代もf(x)も僕たちを見て目を丸くし(この際呼び方は無視する)、驚きの声を上げていた。

アンバーだけはすぐに正気に戻り、「お久しぶりです」と挨拶をしてくれる。
ファンの希望でアンバーと絡むことが昔からあったしで、アンバーとは比較的親しい間柄。
基本的に他の事務所の人間と交友関係を築き上げない僕にしては、珍しいことだろう。



「レオ、ミンス、ほら!仲良く!」

「…ずさん過ぎる司会者だね。」



安定で僕はギグァンに、テグンはエンに背中を押されて彼女たちの前に出る。
アンバーとは交流があったから、f(x)自体も関わりが皆無と言うわけではないけれど…。
問題はテグンだ。

人見知りで、しかも異性となれば話し辛いところもあるんだろう。
僕よりも、テグンの方が挙動不振が目立った。



「レオさん、ミンスくんの旦那さんって本当羨ましいです!」

「ウギョル観てますよー!ミンスくんってレオさんの前だと女の子っぽさ増しますね!」

「そう…ですか?」

「何これ、公開処刑?」



この企画の趣旨を伝えられていたのかなんなのか、テグンを取り囲むf(x)の一部メンバーと少女時代のメンバー。
しゃべっているのは、主にサニー…さん、スヨンさん、テヨンさん、ルナだけど。

異性に囲まれてしどろもどろになるテグンは面白いけど、面白くない。
僕の感情の矛盾について行けそうにはなかったけど、公開処刑とも言える彼女たちの発言には突っ込ませてもらった。

そんな僕を見てクスクスと笑うのは、言わずもがなアンバーで。
照れ隠しを交えてアンバーを睨めば、アンバーは肩を窄めて「すみません」と口にした。



「楽しそうで良かった、と思って。」

「…ああ、そうか。知ってるもんね。」

「はい。」



アンバーは、事務所外の人間で唯一僕の恋愛事情を知っている人。
まあ僕が言ったわけじゃなくて、自然とバレていたから知っていた、というだけなんだけど。

だからもちろん、過去の恋愛が終わったことも知っている。
それも直接伝えてはいなくて、アンバーは悟ってくれたから、なんだけどね。

アンバーの「楽しそう」と言う言葉には、いろいろな意味が含まれていると思う。
荒れたわけではないけれど、あれを機に人との関わりをさらに小さくしてしまった僕を見ていたから、自然と少女時代たちと会話出来ていることがアンバーからしたら良かったんだろう。



「キミのオンニたちは良くしゃべるね。」

「もっと話すオッパたちも居ますよ。」

「ああ…彼らは…良いや…。」



未だにテグンを取り囲んで、マスコミよろしく僕とのことを中心に聞いている彼女たち。
女子は恋愛トークがだいすきだと風の噂で聞いたことはあるけれど、それがアイドルにも適用されているとは思わなかった。
彼女たちもアイドルなだけで、ごく普通の女の子だった、と言うわけね…。
それでも公開処刑はやめてほしい。

そう言った意味を含めて「良くしゃべるね」と言えば、アンバーは笑いながら「もっと話すオッパたちも居ますよ」と言う。
なんとなくだけど、恐らくはsuper juniorのことを言っているんだろうな、と思った。
彼らとは何度か音楽番組でも共演したし、バラエティやラジオでも関わったことがある。
確かに彼らも、良くしゃべるな…。



「得意料理ってなんですか?」

「ミンスくんの好きな料理って知ってます?」

「ミンスオンニの嫌いな食べ物は?」

「ミンスは……ピーマンが嫌いで、あとニラときくらげも嫌いです。チャプチェを食べるときは、残してました。」

「その情報いる?」



こちらはこちらで話していると、今度は僕の好きな料理、嫌いな食べ物の話しになったらしくテグンは思い出すように話していた。
ファンにバレていないところまで全部話されたら、僕のプライドはボロボロじゃないか。
ピーマン嫌いも黙ってたのに。

余計なことは言うな。
そう言う意味を含めて、テグンを少女時代たちから引っ張るようにして引き離す。
決して彼女たちが言うように嫉妬したから、とかではない。
絶対違う、断じて違う。



「…もう良いでしょ。僕のことが知りたいんなら、僕に直接聞いて。」

「ミンスくん嫉妬!?」

「ミンスオンニも妬くんですね…。」

「ふふ…。かわいい。」

「はあ…。」



僕のことが知りたいなら僕に聞いて。
そう言うと「嫉妬!?」とさらに湧き出す彼女たちは本当に女の子だと思った。
母親のように「ふふ」と笑うビクトリアさんだけは、どう思ってるか解らないけど。
彼女もきっと、僕が彼女たちに妬いたとでも思ってるんだろうな…。

…まあ、全力で否定は出来ないけど。



「そろそろ次に行きますか!」

「次回に続きますよー!」

「え、これ続くの?」



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