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ギグァンとエンに各々が引っ張られて連れてこられたのは、いつもの練習室。
嫌な予感がする、と思いながらギグァンが扉を開けると、目の前に居たギグァンは吹っ飛ばされて何かが僕に抱き着いて来た。
「オンニ〜〜〜!!」
「はあ…。」
僕の嫌な予感は、ある意味では外れてくれていたけど、ある意味大正解だ。
言葉通り、痛いほどの愛を向けてくれたのは昔から僕を慕ってくれているヒョナ。
ちなみにギグァンは、ヒョナの勢いで吹っ飛ばされていた(ご愁傷様)。
僕が行けばハイテンションで体当たりをしてくるヒョナはいつも通りのことで、ギグァンも特に気にすることなく「いてて…」と声を溢す。
けれどその景色は、あくまでも"BEASTの僕たち"が当たり前に思えることで、テグンやエンからしてみたら、驚きなんだろう。
チラリと視線を向ければ、ふたりは驚いたように目を丸くしていた。
「ヒョナ、離れて。」
「どうしてそんなこと言うの!?」
「こら。ミンスが困ってるでしょ?」
「ジヒョオンニ…。」
まあ、当たり前の景色とは言え、今はウギョルと言う番組の収録中。
ヒョナに離れるよう言えば、ヒョナは「どうしてそんなこと言うの!?」と怒る。
まったく、ヒョナの甘えたも困ったものだ…。
とは言え、心から僕を慕ってくれるヒョナを無下に出来ない僕もヒョナには相当甘いと思う。
他の人間であれば遠慮なく、力づくでも引き剥がすところだけどそれも出来ない。
さて、どうするか。
そう思っていると、彼女が所属するグループのリーダー・ジヒョンが彼女を叱った。
ジヒョンに言われては抵抗も出来ないのか、僕からすんなり離れるヒョナ。
だけどやはり、表情は不貞腐れてる。
「で、どうして4minuteのところに来たの?」
「ミンスの家族だからね。レオにも慣れてもらおうと思って。特にヒョナ。」
「ああ…。」
「ギグァニオッパ!どういうこと!?」
4minuteと言えば、僕は今さら人見知りなんてものしないし親しい間柄とも言える。
このくだらない企画の趣旨が人見知りを治すものなのであれば、僕には不要な関わりだと思ったんだけど…。
ギグァンの言葉に、「なるほど」と納得する。
間違いなくヒョナ含む4minuteは僕たちと家族のように親しいから、テグンにも慣れてもらおうと思ったわけね。
これからのことを考えたら、確かにヒョナには慣れておいた方が良さそうだ。
「レオさん、ミンスって気難しいでしょ?」
「ヒョナは自分がミンスと結婚するのにって煩かったけど、あたしたち心配で…。」
「カットされてる部分でミンス、何かやらかしたりしてない?大丈夫?」
「いや、その…。」
「キミたちなんなの。親戚の叔母さんなの?」
再び引っ付いて来たヒョナと「離れて」「絶対やだ!」「ワガママ言わないでテグンのところ行って」「ワガママってオンニに言われたくないもん!」なんて攻防を繰り返していたとき。
4minuteの年長組に絡まれるテグンが視界の隅に入って来た。
助けてやれよ、自称司会ふたり。
これじゃまるで、世話焼きな親戚の叔母さんの集まりじゃないか。
僕の腰部分に腕を回したままのヒョナを引き連れて、年長組の間に割って入る。
すると3人はニヤリと笑って「ごめんね」なんて心にもない謝罪を口にした。
初めて彼女たちに殺意を抱いたよ…。
ヒョナや年長組とは違い、大人しいのは末っ子のソヒョンだけか。
ソヒョンを見習ってくれ、と言う意味を込めてソヒョンの方を振り向くと、何故かソヒョンは今にも泣き出しそうな顔でギグァンとエンのふたりに挟まれていた。
…何をしているんだ、あの馬鹿どもは。
「ねえ、ソヒョンを泣かせないでくれる?」
「え!?いや、僕たち何も…え、ソヒョナ!?なんで泣きそうなの!?」
「ん?ギグァンたちのせいじゃないの?」
「違うって!」
「ソヒョンを泣かせるな」と言えば、ギグァンは慌てて「何もしてない」と言い、ソヒョンを見て驚きの声を上げた。
エンも必死に「違う」と否定する。
なんだ、ソヒョンはどうしたって言うんだ。
このふたりが原因じゃないなら、どうして泣きそうにしているんだろうか。
「あ、あたしたちのオッパが…お嫁さんになるなんて…。」
「おまえもか。」
「オッパはあたしの旦那さんになるって思ってたのにー!」
「ちょっとソヒョナ!ソヒョナでもオンニは譲らないからね!?」
「ヒョナは黙ってて。」
とうとう喚き出したソヒョン。
さすがに泣きはしていないけど、今にも泣きそうなのには変わりない。
ヒョナもそうだけど、どうしてこんなにも僕なんかを彼女たちは愛してくれるのか…。
理解することは出来ないけれど、彼女たちの愛情が嫌だとは到底思えなかった。
ところでこれ、4minuteに会った意味ある?
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