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「引き続き、人見知りを治しまSHOWの進行を務めます、VIXXのエンです!」

「同じく、BEASTのギグァンです。」

「何そのクソみたいなタイトル。」

「言っちゃダメ!」



どうやら今日は2話撮りらしく、引き続きこのくだらない企画を進めるらしい。
…こいつら、結婚報告って言ってなかった?
いつの間に僕たちの人見知りを治す企画にシフトチェンジしたんだか…。
なんにせよ、とんだ御節介だ。

少女時代とf(x)と別れ、向かうのは同じ事務所の別室(たぶん)。
こうなったら文句を言うのも面倒だ。

ギグァンとエンの案内で連れて来られたのは、恐らく別の練習室。
super juniorでなければもうなんでも良い。



「お疲れ様です。」

「ああ…うん、お疲れ様。」

「!…お疲れ様です。」



入った部屋に居たのは、SHINeeのメンバー。
SHINeeは僕たちBEASTよりも先輩だから、当たり前にテグンたちより先輩で。
オニュが挨拶をし、僕が挨拶を返すとテグンも慌てたように挨拶をしていた。

…どうして今さらSHINeeなんだか。
テグンたちはどうか知らないけど、僕たちは何度か共演したことがある。
まあ確かに、親しいかと問われたらそんなことはないと言えるような繋がりではあるが。



「えー、ミンスとレオですが、この度めでたく結婚しました!」

「え、それはウギョルのことですか?本当に結婚したとかですか?」

「ウギョルでしょ。」

「ウギョルだよ。」



ひとりだけ楽しそうなギグァンによる突然の結婚報告に、驚きの声を上げるジョンヒョン。
それに対して突っ込んだのは、言わずもがな僕とキーのふたり。

僕とキーの突っ込みに「あーウギョルね」と納得するジョンヒョンは、ギグァンに振り回されて可哀想な気もする。
ギグァンは一言抜けて言うから、ジョンヒョンも誤解するんだ。



「でも珍しいね、わざわざ来るって。ミンスって僕たちに興味ないもんだと思ってた。」

「まあ…うん。ギグァンとエンが連れて来たってのもあるけど、別に興味なくはないよ。」



キーの「僕たちに興味ないもんだと思った」と言う発言に、すこし言葉が詰まる。
事実、僕はSHINeeに対して特に興味を抱くことは一度もなくて。
"僕たちより先にデビューしたグループ"程度の緩い認識だった。

でも、これが番組だからなのかそれを真っ向から否定するのも違う気がして。
だから「興味なくはない」と、多少抽象的ではあるものの、そう答えた。

グループの人間、それから事務所の人間と親しくなる必要性は兄から教わったけど。
ウギョルを通してテグンと関わり、そしてテグンの仲間であるVIXXと関わりを持ちだしたからこそ、キーの言葉を真っ向に否定しなかった部分もあるのかもしれない。

不必要な関わりは、邪魔だと思ってたけど…。
けれどそれも充分、僕という人間を良い意味でも悪い意味でも変えてくれる、事務所の奴らとはまた別の必要な関わりなのだと思えるくらいには僕も成長したと思う。



「ミンスも変わったなあ。」

「今まではツンと澄まして、ちょっと懐いてると思ったらf(x)にだけだったのに。」

「中身もかわいくなったね。」

「…それ、褒めてるの?」



ジョンヒョン、ミンホ、オニュに続いて発された言葉は、素直に喜んでも良いものなのか…。
褒められているのか貶されているのか解らないけれど、まあそれも事実だから否定はしない。

彼らの言う通り、僕が他の事務所の人間と関わったのはアンバー繋がりでf(x)が初めて。
だけどそれが理由でアンバーと同じ事務所の人間と関わりを持ったか、と言えば、決してそんなことは無かった。



「レオさんの奥さんになって、性格が丸くなったんでしょ。前はちょっとでも触れば噛み付きそうな状態だったのが、今はそんな雰囲気も出してないのが良い証拠だよね。」

「…そんな状態だった?」

「…まあ、なまえは最初、怖かったな…。」

「それを言うなら練習生時代の方がもっと酷かったけどね。僕、相手にされなかったもん。」

「ギグァン、余計なこと言うな。」



キー曰く、僕の性格は丸くなったらしい。
自分では解らなかったから、隣に居たテグンに聞いたけど、怖かったと言われるだけ。
練習生時代のことは自覚しているし、デビューしてからは良くなったと思ってたんだけどな。



「同い年だし、91の集まりにミンスも参加しなよ。ミンスと仲良くなりたいって子も、結構いるみたいだし。」

「…まあ、考えとく。」



いつの間にか半円を描くように座っていたら、隣に座っていたキーから集まりに誘われる。
91の集まり、と言えば、風の噂で91年生まれが集まるグループがあると聞いたことがあるけどそれのことなのだろうか?

まあ、輪を広げて悪いことはない…と思う。
それでも乗り気ではないから、「考えとく」とこれまた抽象的な言葉で返したけど。
騒がしいのは嫌いなんだ。



「キーヒョンずるい!ヌナ、僕とも仲良くしてください!ヌナのダンス、好きです!」

「ありがとう、テミン。僕もテミンのダンスは結構好きだよ。よく見る。」

「え!!」



キーと話していて割り込んで来たのは、このグループの末っ子であるテミン。
テミンは僕のダンスが好きと言い、気分が悪くなるはずもなく僕も好きだと言えば、まるでファンのように喜んでくれた。

うん、悪い気はまったくしない。



「………。」

「…テグン?」



キーの横ではしゃぐテミンを見ていると、ふと反対側の肩に重さを感じた。
僕の肩に体重をかけたのは、言わずもがな反対側に座っていたテグン。

テグンは僕の肩にもたれるように頭を乗せ、でも、僕のことは見ていない。
そんな至近距離で顔を向けられていなければ、当たり前にテグンの表情は見えなくて。
どんな表情かは解らないけど、SHINeeのメンバーと自称司会者ふたりがニヤニヤしていることから…不貞腐れてるのかな?



「はいはい。テグンの歌、僕は好きだよ。」

「!」



番組としての演技なのか。
もしくは、この前の発言からくるテグン自身の感情のままの行動なのか…。

それは解らないけれど、テグンのこんな行動が嫌だとは思えなかった。

昔の僕はこんなじゃ無かったのに。
…感化され過ぎたかな。



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