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「テグナも妬くんだねぇ。」
「やっぱり?レオ妬いてたのか。」
「…違うでしょ。」
「…いや、妬いてた。」
ニヤニヤした顔のSHINeeたちと別れ、再び事務所内を歩き回る僕たち。
ここはもう撮影しないのか、カメラも動いてないようだった。
まあ、あんまり内部事情を撮影出来ないよね。
カメラもないから、と言うことでなんとなくテグンとは離れ、ギグァンの横を歩いているとエンから爆弾が投下される。
それに目を見開いて驚いていると、すかさずギグァンも「やっぱり?」と口にした。
…あの行動は、"テグンの感情から出たものだった"、と言うのか。
テグンもふたりの言葉を否定せず、むしろ肯定していてさらに戸惑う。
あれだけ言われて何を今さら戸惑う、とも思うけれど、胸を渦巻く感情が、まさに戸惑いを表していた。
「ウリテグナ〜。僕も他のグループの人たちと仲良いから、妬いてくれても良いんだよ〜?」
「…それはだめでしょ。」
「それはアウトだと思うよ。」
「…絶対妬かない。」
テグンを受け入れられない、受け入れたくない僕の心境と喜びが葛藤する。
そんな中、エンがくだらないことを言ったことによって力が抜けた気がした。
前を歩くエンとテグン。
エンはテグンに抱き着きながら、「テグナ〜素直になってよ〜」なんて言っている。
もしテグンがエンの交友関係で嫉妬したら、それこそ問題でしょ…。
「なまえ…顔、引き攣ってるよ。」
「…だろうね。」
さっきとは違った意味で引き攣る頬。
テグンから話しには聞いていたけど、ここまで酷いと何も言えない…。
メンバーのことを大切に、愛情を持っていることは良いことだけど…僕たちBEASTは良い意味でドライな愛情で良かったよ。
ドゥジュンがエンのようだったら、たぶん僕、辞めてると思う。
テグンとエンのラブコメディ(のようなもの)を眺めていると、次なる目的地に到着したようでエンが立ち止まる。
ここもまた、練習室なの?
部屋がたくさんあるんだね…さすがは大手。
「次はここですよー!」
「じゃあエン、開けて。」
「はい!お邪魔しまーす!」
この番組のメインって誰だっけ…と、嬉々とした表情で扉を開けるエンを見ながら考える。
間違いなく僕とテグンがメインなのだけど、番組でも放送事故が多い僕たちがおしゃべりなエンに勝てるはずもなかった。
流れに身を任せ、エン、テグン、ギグァン、僕の順番で入室する。
するとそこには、EXOのメンバーが居た。
今度はEXOか。
「こんにちは、僕たちはEXOです!」
「うん、こんに…うわっ。」
EXOに迎えられたと思いきや、僕が口を開いたと同時にEXOが集まって来た。
これ、番組だから良いけど、はたから見れば集団リンチにしか見えないと思うよ。
「ミンス先輩!はじめまして!」
「俺、チャニョルって言います!ミンス先輩のこと、尊敬してるんです!」
「ミンス先輩はダンスの練習って、いつもどれくらいしてるんですか?」
「俺たちずっと、ミンス先輩と話してみたいって思ってたんです!」
…なんだこれは。
僕たち(と言うより僕)に群がるEXOの面々。
僕は何も言っていないと言うのに、次から次へと言葉が届いてくる。
僕は聖徳太子じゃないんだけど…。
まったく。
2012年にデビューした奴らは、どうしてこうもみんなして騒がしいんだ。
VIXXよりも馬鹿集団と同じ匂いがする。
思わず引き攣る表情に、静止がかかった。
彼は確か………中国人の子か?
「ミンス先輩困ってんだろ。」
「ごめんルハニヒョン…。」
「ほら、ルハナじゃなくて、ミンス先輩にもちゃんと謝る。」
「すみません、ミンス先輩…。」
…へえ。
どこぞの馬鹿集団と同じかと思ったけど、しっかりした人も居るものだ。
ルハンと言うらしい彼に怒られ、しょんぼりとする騒いでいた面々。
よほど反省しているのかなんなのか、彼らの頭に犬の耳と尻尾が見えたのは…。
うん、僕も疲れてるんだろうな。
「良いよ。次からはちゃんと、ひとりずつ話して。そしたら僕も答えてあげる。」
「はい!」
やっと落ち着き、僕が彼らを把握出来ていないということで、自己紹介が始まる。
メインで騒がしかったのはベクヒョン、チャニョル、カイ、セフン。
彼らを宥めたのがルハンとシウミンで、一番最初に挨拶をしたのがスホと言うらしい。
EXOはふたつに分かれており、そのリーダーはスホとクリスで、スホに関しては総リーダーも務めているんだとか。
まあ、一言で言うなら、わけが解らない。
「ヒョン〜!ミンス先輩と結婚なんてほんっと羨ましいです〜!」
「そんなこと言うの、チャニョルくんくらいだよ。僕たち全員、ミンスが奥さんだなんてほんっとに心配で心配で…。」
「ギグァンたちは僕の親か。」
ここでまた結婚報告か、と思ったら、それよりも先にチャニョルがウギョルについて触れた。
ウギョルって僕が思ったよりも、かなり有名な番組なんだね…。
だからあんなに驚かれてたのか。
「今回は結婚報告も兼ねて、ミンスさんとレオさんの人見知りを治しに来ました。」
「ミンスと話すなら今のうちだよ〜。」
「安売りみたいに言わないでもらえるかな。」
エンとギグァンの言葉で、再び僕を囲う彼らはなんと言うか…。
こんな僕と話したいものなの?
僕の言ったことを守りながら、次々と話し掛けてくるEXOのメンバー。
答えると言った手前、雑に扱うことは出来ないと思って、僕なりに丁寧に答えていく。
…そう言えば、テグンは彼らと話さなくても良いのだろうか?
まあテグンたちとEXOは同期だから関わりもあるだろうし、それなら関わりを作らなかった僕と話す方が貴重なのかもね。
何度も言うようでしつこいけど、その心理、僕にはまったく理解出来ないけど。
「!」
「…おまえら、近過ぎ。」
「えー!だって俺らミンス先輩のこと尊敬してるし、ファンなんですもんー!」
「だからって、そんなに近付かなくても話しくらい出来るだろ。」
こいつらsuper juniorレベルでしゃべりが止まらないな…と思っていたとき。
後ろからふわりと抱き締められる。
そして一気に離される距離。
見なくても解る。
これは、テグンの仕業だ。
ハグくらいであれば、もう慣れたもので。
動揺こそはしないけれど、内心呆れに近いものを感じていた。
こいつ、あからさま過ぎる…。
「僕の交流を邪魔するな。」
「…でも、近いだろ。」
「良いよ別に。まったく、テグンのおかげで他のグループにも関心を持てたって言うの……待って、今の、聞かなかったことにして。」
番組の趣旨は変わっているが、まあ、こんなことでも無ければ僕は他のグループと話しをしようなんて思わないだろう。
この際良い機会だし、関わりくらい持つか。
そう思っての行動なのに、テグンは自分の感情でしか動かない…まるで子どもだ。
テグンに抱き締められたまま頭を抱える。
呆れたように説教をしていたとき、無意識に溢れた僕の本心で思わず固まってしまった。
僕は今、何を…。
「ふふ。ミンスもレオヒョンも、夫婦だから仲が良いんですね〜。」
言葉にしたのはレイだけど、なんとなく解る。
全員が何かしらを思っている、と。
SHINee同様、にやけた表情を浮かべるな。
ああ、もう、本当に。
早く終わってくれないかな…ッ!
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