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こうなったらもう、なんでも良い。
僕だって楽しんでやる。
「ここ行きたい。」
「…どこ?」
「ここ。乗りたいやつがあるから。」
テグンとの写真で吹っ切れたのか、もしくはあの亀との会話でどうでも良くなったのか。
それは解らないけど、ここは僕たちアイドルにも平等に夢を与えてくれる国なんだ。
僕だって楽しむ義理はある。
と言うことで、僕が選んだのはロストリバーうんちゃらエリア。
誤魔化したのは言えないとかじゃなくて、検索を考慮した結果だ。
決して言えないわけではない(メタ発言禁止)。
高いところはあまり好きじゃないけど、この乗り物は好き、ということでテグンを連行。
乗り物に乗って、冒険をするやつ。
伝わるかな?
「これは好き。」
「…あれは?」
「回るから嫌だ。」
「……(理由はそれだけじゃないだろうな)。」
乗り物に乗って、コースに設置されているカメラで撮られた写真を見る。
どこで撮るかうろ覚えだったけど、意外と覚えていたらしい。
ここへ前に来たのは、レオ兄と母さんと3人のときだったかな?
「テグン、かわいいね。」
「…なまえはずるい。解ってたなら教えてくれたら良かったのに。」
「僕だってうろ覚えだったから。」
僕はちゃんと顔を作っていて、髪型はボサボサだけどイケメンに写ってると思う。
そんなことをBEASTの前で言ったら、ナルシストとか自信家とか言われるんだろうけど。
まあ、僕のことはどうでも良い。
テグンだ。
テグンはこれが初めてみたいで、当たり前にカメラなんて知るはずもなく。
安全バーを強く握り、目をギュッと力強く閉じていて…ちょっとかわいい。
「……買うの?」
「うん。テグンがかわいいから。買う。」
「……………じゃあ、俺も。」
「無理に買わなくて良いから。」
ポケットから財布を取り出し、スタッフに番号を伝えて自費で写真を買う。
せっかくだし記念に、という気持ちと、テグンが面白いから、という気持ちで普段は買わないのに買ってしまった。
それを見ていたテグンは、しばらく考え込む素振りを見せて小さく「買う」と呟く。
まあ、僕的には普段表情の硬いテグンがこんな顔をしていてかわいく思えるだけだし、本人は写りに不服なんだろう。
僕だって自分がこんな写りだったら、絶対に買おうとは思わないよ。
複雑そうな表情で写真を買おうとするテグンを引き止めて、再び園内マップに目を通す。
「ん?……ふぅん。テグン、次が最後になるらしいから、慎重に選ぼう。」
「もう…?」
「レストラン予約してるんだって。」
どうやらディナーを摂るレストランは予約しているらしく、時間的に次が最後になるらしい。
モノによってはかなり時間を要するアトラクションもあるから、そこらへんは考慮して選ばなきゃいけないんだろうな。
テグンが行きたいところを優先的に行ってあげよう、と思って園内マップをテグンに渡せば、テグンは「ここ」と言って場所を指した。
ここは…アラビアのエリアか。
どうやらテグンは、そのエリアにあるゲームに興味があるらしい。
ゲームなら並んでもそこまで時間は掛からないだろうから、まあ良いか。
「あの皿にボールを入れられたら成功なんだって。出来るの?」
「…難しそう。」
そんなこんなでやって来た、アラビアエリア。
ゲームの説明は当たり前に日本語なので、僕が通訳して教えてあげた。
ボールがお皿に止まれば成功なんだけど、これ結構難しいんだよね。
成功したらぬいぐるみが貰えるから、僕としては成功してほしいところ。
何度も言うようで悪いが、難しいんだけどね。
「あー、惜しい。」
「…難しい。」
やっぱり簡単には成功しなくて、今回のチャレンジは全部失敗。
何度か止まりそうになったけど、パワーバランスは難しいみたいで。
拗ねたようなテグンに「残念だったね」と言えば、負けず嫌いなのか「もう一回」と言って並び直しをさせられた。
こんなものに負けず嫌いを発揮するな。
2回目の順番が来て、説明も不要だということですぐにチャレンジが始まる。
また失敗するだろう、と言う考えしかない僕の脳内は、既にディナーのことしかなかった。
美味しいものが食べたいな。
「!」
「…出来た。」
コースかな?
選べるかな?
そんなことを考えていると、テグンはボールをお皿に入れていた。
スタッフの「おめでとうございます」と言う言葉とともに、景品を渡される。
大きなリスのぬいぐるみだ。
出っ歯の方。
「かわいい。」
「…嬉しい?」
「うん、嬉しい。」
「なら良かった。」
テグンがボールを入れられたことで貰えたぬいぐるみを抱き締めて、予約してあるというレストランに向かう。
これでまた、コレクションが増えた。
みんなは邪魔だと言うんだろうけど。
夢の国なんて人混みなだけで面白くないと思っていたし、今まではそう思ってたけど。
今日は楽しかった、かもね。
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