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曲調はバラードで決定。
触りだけはなんとか決まったけど、その次に続くメロディーがなかなか出てこない。
ジュンヒョンはよく考えられるな…。



「…だめだ、解らない。」



いくら頭を捻ってみても、思い浮かばないものは思い浮かばない。
バラード、とは言っても落ち着いたところからサビの盛り上がりに持っていくことは簡単なことではなく、頭を抱える。

ジュンヒョンに電話してやりたい、とは思うけれど、それでは意味がないだろうし。
僕は作曲に向いてない。



「…こういうのは?」

「ああ…。うん、良いね。」



頭を抱える僕を見かねたのか、テグンが次のメロディーの提案をして来た。
優しい音色が、スッと僕の中に入り込む。
…良い続きが浮かびそうだ。

それ以降、テグンは手を出さないことにしたのかなんなのか、何かを言うことはなく。
たぶん、テレビには放送事故よろしく、ピアノの前から微動だにしない僕が映されているんだろうな…シュールだ。

でも、そんなシュールを生み出した甲斐はあったかもしれない。



「浮かんだ。」



テグンが続けてくれたメロディーに続く音色。
なんとなくの入りさえ考えてもらえれば、僕にもインスピレーションは湧く。



「どうかな?」

「良いと思う。」



止まりながらもザッと通して弾けば、テグンは微笑みながらも賞賛してくれた。
別に一曲として作れ、って言われてるわけじゃないし、それっぽく終わらせられたら良いだろうっていう判断で曲を終わらせる。

あとは、テグンが歌を乗せてくれたら良い。

メロディーを忘れないよう、何度もそれを弾き続けていると、自然と乗りだすテグンの歌声。
歌声とは言っても鼻歌だから、歌詞なんてものはないんだけど。
それでも、テグンの歌声がピアノと重なるだけで立派な曲になった。



「すごいね。やっぱりテグンは、歌が上手い。ヨソプより上手いんじゃない?」

「…それは褒め過ぎだ。」



テグンの歌が重なったことで、より楽曲らしくなった演奏。
優しくも力強さを感じるテグンの歌声、技術を素直に褒めれば、テグンはどこか恥ずかしそうに表情を歪めた。
照れてるくせに表情を歪めるなんて器用だね。

さて、問題は番組だ。
こんな無意味とも思えることをして、番組側は満足しているのだろうか。
番組の趣旨が変わっているような気がするけれど、それはギグァンとエンが出て来たあの時点で思っていたことだから、口にはしない。



「…え。これ、番組で使うの?」

「歌詞…考えないとだな。」

「作詞までするなんて…。ジュニョンにでも任せようよ。僕が頼むから。」

「だめだって。」



チラリとスタッフ側を見ると、そこに出されたカンペには「曲を完成させてください。完成した曲はおふたりのウギョルで使わせてもらいます」と書いてあった。
カンペでまでミッションカードみたいに丁寧に話すなんて、徹底しているんだね。
いや、そんなことどうでも良いんだけど。

作曲したのに、作詞までしなければならないなんて聞いていない。
どうして慣れないことを番組内でしなきゃいけないんだか…。
本当に使われるのかも定かではないし。

だからあとはジュンヒョンに頼もうと提案したのだけど、スタッフは大きく手でバツを作るだけで、要するに却下ということか。
だから僕にはそういうセンス、ないんだって。



「俺が考える。」

「…出来るの?」

「…たぶん。でも、なまえが曲を作ってくれたから、それくらいはする。」

「…そう。良いよ、僕もちゃんと協力する。」



作曲はもちろん、作詞だって今までしたことが一度もないのだ。
まあ、SHOW TIMEでちょっとだけ作詞したけど、まともじゃなかったし…。

またしても頭を抱えていると、テグンが自分が考えるのだと名乗り出た。
その言葉に、面倒から解放されるとすこし表情が緩んだのが自分でも解る。

でも、テグンが僕のことを気遣う言葉を言うから、なんだか、丸投げしちゃだめな気がして。
そもそもふたりで作れ、という指示なんだ。
僕もきちんと、参加しないとね。



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