▼ トランプ
「トランプしよー。」
「なんだよ急に。」
今日はメンバー全員が休みで、宿舎でまったりのんびり過ごそうとみんなが決め込んで宿舎に引きこもっていたとき。
バーンッと豪快に扉を開けて入って来たのはいつもの馬鹿なまえ。
なまえはリビングに来るなりトランプを鞄の中から取り出して、トランプしよー、なんて馬鹿みたいなことを言ってきた。
流石は空気の読めない馬鹿なまえ。
なんだよ急に、とドゥジュンが突っ込んでもコイツはまったく気にしない。
良いから取り敢えずトランプしよーよ、なんてヘラヘラしながら言うものだから、思わず溜息が出て来る。
うん、いつも通り、安定のワガママさだ。
「俺やだ。」
「残念でしたー。強制参加なんでそこで暇そうにエロ本読んでるヨンジュニョンも参加しなくちゃいけないんですー。」
「エロ本じゃねぇよ!!」
「え、ジュニョア…エロ本読んでたの?」
「だからエロ本じゃねぇってば!!」
雑誌を見ながら、俺やだ、なんて言っているのは(一応)クール担当のジュンヒョン。
コイツのクールさもなまえの手にかかると即座に壊れてしまう。
エロ本読んでるヨンジュニョンも参加しなくちゃいけないんです、なんて馬鹿みたいなことを言うから、ジュンヒョンのキャラが大変なことになったじゃないか。
それにヒョンスンまで乗っかって、さらにジュンヒョンのキャラは崩壊。
ちなみに、ヒョンスンの目が心なしか輝いているように見えたのは無視しておく。
ドンウンとギグァンの年下組は諦めてしまったのか、文句も何も言っていない。
さてやりますよー全員集合ー、なんて言ってテーブルの上にカードを配っているなまえを無性に殴りたくなったのは秘密だ。
「…はぁ。で、何すんの?」
なんて言いつつも、俺も諦めた…というか変な慣れが出来てきたから、特に文句も言わないでテーブルの周りに集まる。
何すんの?、とカードを配っているなまえに尋ねると、なまえはにっこりと笑った。
「ババ抜き!」
「ババァはすっこんでろ。」
「ヤァ!ヨンジュニョン!」
なまえが笑顔で、ババ抜き、と言うと、即座にジュンヒョンが突っ込んだ。
コイツらのやり取りも、もう見慣れたものだ。
ババァはすっこんでろ、と言われたなまえはカードを配るのを止め、勢い良くジュンヒョンに食ってかかる。
コイツ途中で配るの止めたけど、何処で止めたか覚えてんのかな。
まあ、 馬鹿なまえのことだから、どうせ覚えていないんだろうけど。
「ババァ抜きなんだろ。なら帰れ。」
「じゃあジジ抜き!」
「なら俺はジジィだから抜ける。」
「自虐か!どうしろと!」
「取り敢えずくだらないからやらない。」
ああ言えばこう言う、と言うのは、まさに今のジュンヒョンに使うべき言葉だろう。
ババ抜きだと言えばババァ抜きで、ジジ抜きだと言えばジジィ抜きでやる、なんて。
と言うより、ジジィだからと言うんだったら俺とドゥジュンとヒョンスンも抜けることになるからな、ジュンヒョン。
まあ、俺は別にそれでも良いけど。
正直トランプとかやるだけ面倒だし。
「だいたいジュニョンはいつもそう!屁理屈ばっかり並べて人生損してる!」
「オールウェイズエブリデイ楽しいわ。」
「気持ち悪!キャラ変わりすぎ!気持ち悪!」
「ヤァ、いくらなんでも傷付くぞ。」
ぎゃあぎゃあと口論を始めるジュンヒョンと馬鹿なまえ。
これが始まると、軽く1時間は止まらない。
それはみんなも解っていることだから、テーブルに集まっていたドゥジュンもギグァンもドンウンもみんな解散していく。
ちなみにヒョンスンは最初から参加する気なんてサラサラ無かったらしく、テーブルの周りには集まっていない(自由人め)。
それにしても、ジュンヒョンも馬鹿なまえも素直じゃないなぁ。
さっさとくっ付けば良いのに。
お互い好き合ってるの、バレバレ。
トランプ
ジジィ抜きとババァ抜き。
(…疲れた。)
(あ、終わった?)
(ジュニョンのせいでやる気失せたわ。)
(人のせいにすんな。)
(ジュニョンのせいでしょうが。)
(自業自得だろ。)
(はぁ!?元はと言えばジュニョンが!)
(…また始まった。)
prev / nextALICE+