(なんもねぇ)
もしや俺にもチャットが来てるんじゃないか、って期待して、ポケットから携帯を取り出して指をかざしてみる。
フッと明るくなったスマホの画面には、通知0件。
(、なんで半分野郎なんだよ)
そのチャットの相手はなんで俺じゃないのだろうか。
半分野郎じゃないといけない理由はなんなんだろうか。
いやそもそも、半分野郎からやりとりが始まったのかもしれない。
それに俺も苗字とチャットで友達登録しているのだから、俺だって送ればいいだけのことなんだが…
なんて送ったらいいのかわかんねえ。
(あいつのことなんも知らねぇ…)
クラスが一緒という事以外にこれといって共通の話題があるわけでもなく、苗字が何を好きなのかも全く知らない。
基本的に他人に興味がない俺が女子がどんなことに興味を持っているのかなんてことも知るはずもなく。
(半分野郎、苗字とずっとなんの話してやがるんだ…)
そもそも、俺はこんなにも苗字に執着しているが、接したことはほんの少しだけ。
クラスメイトとして毎日顔を合わせるし、同じ場にいることはよくあるものの直接話した回数といえば両手で数えきれてしまう。
チャットだって何かあった時用に、とクラスメイトの分は全員が全員分登録済みなだけ。
でも、俺が苗字を気に入るまでにそんなに時間は要さなかった。
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