「ちょっと待って!!」
「コウちゃん?」

聞き覚えのある声が聞こえてそちらに行くと見覚えのない男の子とコウちゃんがいた。

「お願い、1度だけでいいから会って。電話をするだけでもいいから」
「だから、そんなことしてなんになるんだよ」
「ずっと探してるの!!」

大声で言ったコウちゃんに男の子はめんどくさそうに溜息をついた。

「もういいか?」
「え?ちょっと!!まだ、話が」
「つーか、しつこい。俺には関係ねぇだろ」

男の子はコウちゃんに捕まれた手を払いのけて、歩いて行ってしまった。

「…はぁ…」
「あの子と何かあったの?」
「はい。私がというよりはお兄ちゃんが…」

コウちゃんは男の子の歩いていった方を見つめる。

「お兄ちゃんのオーストラリアで出来た友達なんです。ある時から連絡が取れなくなったらしくて…お兄ちゃんはまだ彼のこと探してるんです」
「さっきの男の子は凜と会う気はないの?」
「はい。もう関係ないからって…」

コウちゃんは悲しそうに目を伏せる。
この間凜に会ったとき、彼はひどく変わってしまっていた。
もしかしたら…さっきの男の子も原因なのかな…

「凜にメールしてみたら?ここにいるってことだけでも知れたら嬉しいと思うよ」
「けど返信は来ないし…」
「来ないだけで読んでる可能性もあるでしょ?」

コウちゃんは頷いてカチカチとメールを打ち始める。

「そういえばさっきの男の子。名前は?」
「御影君です」
「御影君か…」



凜視点

音もなく震えた携帯を見ると江からのメールだった。

「またか…」

どうせアイツらの話だろうとメールを開いて、目を見開いた。

「朱希…!?」
そこに書かれた御影君が同じ学校にいるという文字に携帯を握りしめる。

朱希が…アイツの学校に…?
そのメールに返信を返そうとして手を止める。
…岩鳶か…

「…朱希」

メールの画面を消して、ベッドに寝転ぶ。

日本にいたのか…
俺に何も言わずに…日本に帰ってきていたのか…

ベッドのシーツを固く握る。

「元気にしてっかなぁ…」

朱希の顔を思い出して目を瞑った。


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