「何で泣きそうな顔してんだよ」
「別、に…」
「…ゴメンな、凛」
届かないけど凛の頬に手を伸ばす。
「なんで謝ってんだよ」
「俺さ、凛が苦しんでるとき何もしなかった。悩んでるってわかってて何も…」
「俺が…お前の手を掴まなかったからなんだろ?」
伸ばしていた手を恐る恐る凛が握る。
「気づかなかったんだよ。凛が、それを望んでないって。凛は縋ろうとも、救われようとも、支えてもらおうとも思ってなかったんだろ?ただ肩を並べて隣にいればよかったんだろ?」
凛は小さく頷いた。
「好きな奴に…頼るとかカッコ悪すぎんだろ…それに、俺は朱希と競ってるのが好きだった。だから朱希の手を借りてとか…そういうんじゃなくて…競い合っていく中で強くなりたかった」
「だから、俺の手を掴んではくれなかったんだな。俺さ、遙さんに言われて初めて気づいたんだ。俺が間違ってたんだって」
凛の手をぎゅっと握り返す。
「けどさ…ちょっとだけ傷ついた」
「え?」
「俺は凛の仲間にはなれねェんだなって。遙さんの手は掴むのに俺の手は掴んでくれねェんだなって」
俺をじっと見つめる凛に微笑む。
俺が言ってることもやってることも凄くカッコ悪い。
カッコ悪いけど…それでもさ…
「馬鹿みたいだけど、嫉妬した」
「は?」
「悔しかった。遙さんたちには出来るのに俺は自分の好きな奴を自分の手で救えねぇなんて、自分の好きな奴に頼ってもらえねぇなんて…悔しいだろ」
目を丸くする凛を、繋がれた方の手を引っ張ってバランスを崩した凛を抱き寄せた。
「朱希!!?」
「…好きだよ、凛のこと。あの頃からずっと好きだった。だからさ…少しでもいいんだよ…俺を頼ってくれ。もう、お前の泣き顔は見たくねぇ」
「朱希が、俺を…好、き?」
驚いている凛の声が耳元で聞こえて俺は笑う。
「好きだよ。遅くなってごめん」
「嘘…」
「嘘じゃねぇよ、馬鹿」
目を合わせて、凛の頬を撫でる。
「何で泣いてんだよ」
「だって…朱希が俺を好きだって」
「泣くようなことじゃねぇだろ。そこは嬉しがって笑えよ」
涙を指先で拭って笑う。
「何度も泣かせて悪かった。気づいてやれなくて悪かった。お前を苦しめて、お前を拒絶して…お前を独りにして悪かった。傍にいられなくて悪かった」
「もう謝んな」
「…うん、もう謝らない。今まで泣かせた分絶対に幸せにするから」
目を丸くした凛の唇を塞ぎ、ほんの数秒触れて離れる。
「朱希っ!!」
嬉しそうに笑って俺の首に腕を回して抱き着いた凛。
「好きだ」
「おう」
「おせぇんだよ、馬鹿」
「悪い」
背中に腕を回して俺は笑う。
「けど、嬉しい」
「…俺も」
少しして体を離せば凛の顔は真っ赤に染まっていた。
「恥ずかしがってんの?」
「うるせぇよ」
「ホントに可愛い奴」
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