2人でベッドに座っていてふと気づく。
兄さんのたからばこ…
「なぁ、凛」
「なんだよ」
「開けてもいい?」
たからばこを指差して言えば目を丸くして凛がはぁ?と気の抜けた声を出した。
「何で俺に聞くんだよ」
「だって、今は凛といるわけだし…お望みならベタベタに甘やかすんだけど」
「やめろ。開けてやれよ」
凛の言葉に頷いてたからばこを開ける。
「…これ…」
「何入ってたんだ?」
缶を開けて俺は固まった。
「写真…?」
「写真?誰の?」
缶をひっくり返してテーブルにぶちまける。
「…兄さんだ」
「本当だ、朱希の兄貴。この女の人は?」
「俺を生んだ母さん…」
写真には兄さんと母さんの映る沢山の写真。
「これ、朱希か?」
兄さんと一緒に写る自分。
「多分俺…」
「朱希の兄貴のたからものって…家族の写真だったんだな」
「そうみたい。…あ、これ」
1枚の写真を抜き取って凛に見せる。
「オーストラリアで俺と凛と兄さんで撮った写真」
「本当だ…懐かしいな…」
「おう」
3人で笑っている写真に微笑む。
「そっか、兄さんは…写真を…」
沢山の写真を2人で眺めなる。
「これ、兄貴の賞状じゃね?」
「あ、本当だ…」
「きっとこれの中には兄貴の過ごしてきた時間が詰まってるんだろうな」
1枚1枚写真を見ていた俺は手を止める。
「どうした?」
「いや…これ、高校の仲間かな…」
数人で集まって肩を組み笑う兄さんの姿に微笑む。
「多分な」
「楽しそう…」
「そうだな」
結局たからばこの中には100枚近い写真と、数枚の賞状、金色のメダルがいくつか入っていた。
「…兄さんの生涯を俺に託したってことか」
「そうだな」
兄さんが生きてきた軌跡。
1枚だけ写真を残して丁寧に缶の中に戻していく。
「それ、しまわねェの?」
「これは飾っておく。俺と兄さんと、凛が写った唯一の写真だから」
微笑みながら言えば凛が目を逸らす。
「何恥ずかしがってんの?」
「うるせぇよ」
「俺との写真飾ってるくせに」
顔を真っ赤にしながら凛がこちらを睨む。
「そういや、何でそれ知ってんだよ」
「似鳥が教えてくれたよ?」
「あの野郎っ!!」
不機嫌そうな顔と紅く染まった頬。
そんな姿が可愛くて頬にキスをして笑う。
「あーっもう!!キスすんな!!」
「え、嫌なの?」
「え?い、嫌じゃ…ねぇけど…は、恥ずかしいんだよ!!」
言わせんなっと怒鳴る彼にクスクスと笑う。
「ねぇ、今日泊まっていきなよ」
「は?」
「俺の知らない2年間の凛を教えて」
凛は目を丸くしてから溜息をつく。
「仕方ねェなぁ…」
「素直に一緒にいられて嬉しいって言えねぇの?」
「なっ!!?」
「怒んなよ。ジョーダン」
やっぱり、凛といられるのは楽しい。
遙さんのお陰で嘘を吐く必要がなくなったから。
罪悪感はもうない。
今までの分を彼を幸せにできればそれでいい。
コウにもちゃんと、お礼言わねェとなぁ…
そう考えながら凛を抱きしめた。
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