お揃いのジャージを作りたいと言う渚が竜ヶ崎を連れて真琴さん達の教室に向かう。
「ねぇ、御影君」
「んー?」
「練習メニューの相談なんだけど…」
渚がいなくなって、松岡が俺の前の席に腰かける。
「怜君が泳げないでしょ?だから、組み直そうと思ったんだけど…」
「ちょっと、見せて」
紙に書かれたメニューを見て、気になったところを指差す。
「ここは回数減らしていいよ」
「これ?」
「うん。その代りここを増やして…」
その後何か所か直して、それを部活の時に松岡が部員に発表した。
「新しいメニュー?」
「そうです!!怜君が泳げないということを踏まえて御影君と新たに組み直してきました。玲君!!」
「な、なんですか?」
松岡がピンク色の手帳を開く。
「県大会に出場することから逆算して遅くてもあと一週間で泳げるようになってもらいます」
「一週間?理論的に無理ですよ」
笑いながら言った竜ヶ崎を松岡が怒る。
「そうでないとこの練習メニューがこなせないの!!」
そんなわけで始まった竜ヶ崎の特訓。
期限はあと7日。
「もしもの時は朱希が出ればいい」
「あ、それならリレーも出れるね」
プールサイドで見ていた俺に隣にいた遙さんと渚が言う。
「は?」
「ちょ、朱希!!怖い!!」
「俺は1人でしか泳がないっすよ?リレーとか絶対嫌だ」
俺の言葉に遙さんがムッとした顔になる。
「俺はフリーしか泳がない」
「リレーのフリーを泳ぐんだからいいでしょ?俺は1人でしか泳がないんすよ。バッタでもバックでもなんでも泳げますけど誰かとっつーのは絶対に嫌」
「我儘言うな」
「アンタが言うか!!?」
睨みあう俺達を慌てて真琴さんが止める。
「まぁ、朱希は1人で記録を残してくれればいいよ。ね?」
「頑張ります」
理論は頭に全て入ってますと自信ありげな竜ヶ崎。
まぁ、残念なことに綺麗なフォームで竜ヶ崎は沈んでいった。
「アイツ何であんなに浮かないんすか?」
「普通にしてれば浮くんだよ?」
「…カナヅチではない、と…」
残り6日
今日は真琴さんの背泳ぎ。
「浮くことは浮くんだけどなー…」
「当然です。昨日は調子が悪かっただけです」
「じゃあ、手離すぞ」
竜ヶ崎を引いていた真琴さんが手を離して、竜ヶ崎が腕を動かし始める。
が、また沈む。
しかも進まない。
「ダメだこりゃ…ハルちゃん!!教えてあげて」
「嫌だ。めんどくさい」
「そういえわずにさぁー」
遙さんに頭をぐりぐりとしている渚から視線を竜ヶ崎に戻す。
「フォームは綺麗なのになぁ…」
つーか、マニュアル通り過ぎて気持ち悪ぃけど…
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