残り、1日。

「竜ヶ崎、ちょっと時間いい?」
「どうしたんです?御影君」

朝、竜ヶ崎を連れてプールに向かった。
「あの、御影君?」
「お前が泳げねぇと、俺がリレーに出る羽目になるんだよ。だから、泳げるようになってもらわねェと困るんだよ」
「それは、わかりますけど…」

水着に着替えた俺は、プールに入る。
「竜ヶ崎も入れよー」
「は、はぁ…」

プールに入った竜ヶ崎に視線を向ける。

「泳げないなら、飛べばいいんだよ。お前」
「それ昨日遙先輩にも言われましたけど」
「知ってる。それ聞いてひらめいた。まぁ、気づいてねェみたいだし…ちょっと付き合えよ」

俺はにやりと笑ってゴーグルをつけた。


真琴視点

「もうこうなったらビート板で出場しよう!!」
「それってルール的にありなの?」
「意外とありかも。ルールとして明確に禁止されてないんじゃ…」
「後でルール調べて…」

そんな会話をしていたときに聞こえた水の音。

「バッタ泳いでる…」
「ハルちゃんかな?」
「でもハルはフリーしか…」
「俺じゃない」

そこに現れたハル。
「じゃあ、朱希?」
「俺も違うっすよー」

ハルの後ろから朱希が顔を出す。

「て、ことは…」
「怜ちゃん!!?」

こちらに着いた怜がゴーグルとキャップを外す。

「今バッタ泳いでなかった!!?」
「今朝、やってみたら泳げました」
「えぇ!!?なんで!?」

驚く俺達から少し離れたところで朱希が欠伸をしていた。

「それは…」

怜の視線はハルに向いてから何かを呟き、そして俺達の後ろの朱希に向けられる。

「教えてくれたんです、御影君が」
「え!?朱希が?」
「沈む前に飛べばいいだろってことで…バッタの泳ぎ方教えたら1発で泳げたんで」
「なにそれ〜」

朱希は少し安心したように息を吐く。

「ま、結果オーライってことか…。けど、なんで安心してんの?朱希」
「え?だって俺が出なくて済むじゃないっすか、リレー」

今まで見たことのないような笑顔で朱希が笑う。

「その為だけに…?」
「文句あります?」

ニコリと笑った朱希に俺は肩を落とした。
「メドレーとか、絶対に嫌」

そう言った御影君はプールに飛び込んだ。


戻る

Top