水着の俺達と袴姿の松岡。
松岡の視線の先には習字道具。
これから何をするかわかった俺はゆっくりと部室の出口に向かう。
「朱希も一緒に。ね?」
真琴に腕を掴まれた俺は小さく溜息をつく。
「江ちゃん、またやるの?」
「やめませんかそれ」
県大会まであと何日、と書かれた半紙がどんどんと積み上がっていく。
「プレッシャーが人を次のステージへと成長させるんです」
「プレッシャーで潰れる奴もいる」
「それって怜ちゃんのこと?」
「僕はそんな弱い人間じゃありません!!」
そんな言い合いをする彼らを微笑ましそうに見つめる真琴さん。
クスリと笑って、こちらを見た。
「何で袴姿なんだと思う?」
「…気持ちの問題じゃないでないっすか?てか…パソコンで作れば楽なのに…」
「ぐらぐだ言ってないで練習!!はい、さっさと行く!!」
喝を入れられた部員がプールへと走って行った。
俺は走ることもせずに体を伸ばしながらプールに向かう。
「県大会か…」
プールサイドに行くとジャージに身を包んだ渚。
「見て見てー届いたよ!!ジャージ」
「ジャージはカッコいいんですがTシャツのこれ、なんですか?」
黄色のシャツにプリントされたイラストに俺は首を傾げた。
そんな2人のやり取りを真琴さんが止める。
「じゃあ、そろそろ始めようか。練習に入る前にまず県大会のエントリー種目の確認をしておこう」
種目…
俺は水着に隠した傷を撫でた。
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