次の日学校に行った俺は教室に行くこともせずにプールに飛び込んだ。
仰向けに水面に浮かんで目を瞑る。
閉じた目の隙間で太陽がキラキラと輝く。
「朱希、こんなところにいたの?」
「…真琴さん」
ひらひらと俺に手を振る真琴さんの方に泳いでいく。
「昨日、平気だった?結局来なかったし」
「え…あ、はい…すいません」
「いや、いいんだけどね。合宿出来ることになったよ」
真琴さんは嬉しそうに笑う。
「お金の問題解決したんすか?」
「一応キャンプってことになった。それで船は知り合いが出してくれるって」
「そうっすか」
水面に映る真琴さんの顔が一瞬歪んで見えて、真琴さんの顔をじっと見つめる。
「どうかした?」
「…海」
「え?」
「苦手っすか?」
目を見開いた真琴さんが気まずそうに目を逸らす。
「昔のトラウマがね…」
「トラ、ウマ…」
「うん。けど、平気だよ」
いつもみたいに笑った真琴さんから視線を逸らす。
「甘く、見ない方が良いっすよ。トラウマ」
「え?」
「俺も…昨日学習したばっかっすけどね」
自分の両手を見つめて小さく息を吐く。
「無理は、しないでください」
「え?あ、ありがとう」
「いえ…余計なお節介なので気にしないでください」
俺は自分の濡れた髪を乱暴にかき乱して笑った。
そんな俺を見て真琴さんは首を傾げる。
「…朱希、なにかあった?」
「なんでっすか?」
「んー…なんか、泣きそうな顔してる」
大きな手が俺の頭を撫でる。
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