走って行った先に海に入ろうとする渚と遙さんがいた。

「俺も行く」
「朱希ちゃん!!?」
「お前…」

目を丸くする遙さんから視線を逸らし、シャツを脱いで海に飛び込む。

「渚、お前は天方先生に連絡しろ」
「え、ちょっと!!…待って、2人じゃ危ないよ!!!」

遙さんと渚が海に飛び込む。
荒れている海。
波をかき分けながら2人のもとに向かう。


「真琴っ!!」

遙さんが真琴さんを抱きかかえた。

「遙さん、真琴さんはお願いします」
「あぁ、わかった」
「渚、竜ヶ崎の所行くぞ」
「うん」


真琴さんより少し沖にいる竜ヶ崎の傍まで泳いでいく。

「怜ちゃん、今助けて…あ、嘘…」
「渚、竜ヶ崎!!」

大きな波が2人を飲み込む。

胸の辺りがまた、キリキリと痛んだ。

「本当に…やめてくれよ」

沈んでいく2人を海の中で見つけて、水面に上がる。

「さっさと、陸に…」

2人抱えて泳ぐのは正直キツイ…
だからと言って離すわけにもいかないし…

何とか片手だけでも動くように2人を抱え直して、一番近い陸を目指した。

「渚、竜ヶ崎…大丈夫か?」
「…ごめん、朱希ちゃん…」
「別に。竜ヶ崎は、座ってろよ」

陸の近くで漂っていたビート板を渚が拾い上げる。

「はい、怜ちゃん」
「ありがとう、ございます」
「大丈夫?」
「はい」

俺は背中を岩に当ててズルズルとしゃがみ込む。
背中の傷…隠せねぇなぁ…

「本当にすみませんでした」
「いいって」
「でも僕のせいで皆さん…」
「そういうのあとあと。それより2人を探しに行こう?」

真琴さんと遙さんはきっと助かってるだろう。
海の流れからしても、ここに着いてる確率は高いはず。


戻る

Top