朝陽が出て明るくなった外。
海も落ち着いていた。

向かい側に見える自分たちのテント。
そして、それを見つめる4人の背中。

「俺が泳いで連絡してくるよ」
真琴さんの提案に3人が真琴さんを見る。

「馬鹿言うな」
「そうですよ」
「でも、今の海は凄く穏やかだし、それに…みんながいてくれるから」

じゃあ、僕もと渚と竜ヶ崎が海に向かう。

「朱希は、どうする?」

真琴さんがこちらを見る。

「…俺は、少し休んでから行きます。まだ、あんまり体が言うこと聞いてないので」

ぼんやりとする頭で泳ぐのは流石になぁ…

「よし、島まで誰が速いか」
「競争だねっ」
「いいでしょうっ」

海に入っていく彼らを見ながら岩の壁に背中を預けて溜息をつく。

「朱希」

泳いでいく彼らを見ていた遙さんがこちらに手を伸ばした。

「…連れて行ってやる、向こうまで」
「どうしたんすか、珍しい」

伸ばされた手を見てから、遙さんを見る。

「…胸にも、傷があったんだな。手術の、痕」
「…他のみんなにもバレてます?」
「俺は今、気づいた」

じっと、俺の胸の辺りを見る遙さんにそうですか、と返して立ち上がる。
遙さんの差し出された手を取ろうと、自分の腕を動かして違和感に気づく。

「ど…どうして、毎回…遙さんには気づかれるんすかね」
「さぁな…。で、どうする?」
「自分で泳ぎますよ」

バレて、ない…よな?
自分の手を強く握りしめる。
向こう岸までならなんとか泳げる。

「…お前には、兄がいるのか?」
「なんでですか?」
「倒れたとき俺に兄さんって言った」

海風が俺と遙さんの髪を揺らしながら吹き抜ける。

「いましたよ」
「……そうか」

俺の言い方に何か悟ったらしく遙さんは海に入っていく。

「早く行くぞ」
「…はい」


戻る

Top