「みなさん、合宿の写真プリントしてきましたよ」

昼食を真琴さんたちと食べていたとき松岡が屋上に入ってきた。

「わー、いっぱいあるねー」
「みんな楽しそう」

どこか楽しそうに写真を見ている彼らから視線を逸らしてウィダーを飲み干す。

写真を見ながら盛り上がる彼らを見ていると、携帯が静かに震える。

「…電話?すいません、ちょっと外します」
「あ、わかった」

一言声をかけて、彼らから少し離れた所へ行く。

「もしもし?」
『あ、急にごめんなさい!!似鳥です』
「平気だよ。どうかした?」

似鳥からメールが来ることは多かったけど、電話は初めてだな…

『あ、あの…松岡先輩のことなんですけど…』
「凛がどうかしたか?」
『あの…どうして、フリーの100しか、出ないんだと思いますか?松岡先輩ならもっと…』

凛がフリーの100…か。
遙さんとの対決が目的、かな…

「んー…俺に聞かれてもなぁ…けど、まぁ凛には凛の考えがあるんじゃない?」
『…そう、ですか』
「凛は単純だからさ。1つ壁があったらそこを越えないと前に進めないんだよ。壁の横に道があっても壁を壊さないと進めない。そういう奴だよ」
『やっぱり、御影君は松岡先輩のことよくわかってるんですね』

似鳥の言葉に苦笑する。

「そういうわけじゃ、ないと思うけど…」
『わざわざ、ごめんなさい。あ、それから…最近先輩の様子が少しおかしくて…』
「そう…ん、わかった」
『それじゃあ』

電話を切って小さく溜息をつく。
なんで俺に聞くんだよ…
てか様子がおかしいって俺に言ってどうするんだよ…

「朱希ちゃーん」
「ん?」

電話を終えて戻ると目の前に突き付けられた写真。

「なんで朱希君、後ろ姿か横顔しか写ってないの!?」
「…俺、写真嫌いだし」
「えーっ」

地面に置かれた写真に手を伸ばす。
そこに写る自分を見ながら、溜息をついた。
自分の横顔があの人と重なる。

「朱希…?」
「…俺、先に戻りますね」

写真を地面に置いて、屋上から出た。


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