「お前は一体何を考えているんだ!!」
目の前で怒る先生から視線を逸らす。
「たく、どいつもこいつも…どうしてあのスイミングスクールの廃墟に行きたがるんだ」
不法侵入って言う自覚はあったけど…
仕方ないしな…
視線を逸らした先にどこかで見たことのある先輩がいた。
隣には俺と同じ学年の男。
「先生、修理の材料買いにいきたいのでちょっと手伝ってもらえませんか?」
古典の先生にそう言った2人。
修理ってなんのだろう?
「おい、聞いてるのか。御影」
「え?あぁ…すみません。聞いてます」
「もうあの廃墟のプールには入るなよ?オーストラリアから帰ってきて日本についてわからないかもしれないが廃墟に入るのも不法侵入だぞ」
「はい、わかりました。今後気をつけます」
適当に頭を下げて職員室を出ようとした時、見覚えのある方の先輩と目が合う。
あぁ…あの人…松岡に絡まれてた時にきた先輩か。
視線をフイと逸らして職員室から出た。
「あ、そういえば御影!!」
「なんですか?」
職員室から出てきた先生に首を傾げる。
「お前、部活はいいのか?」
「…あぁ…入る気はありません」
「そうか、わかった。もし何かやりたくなったら入部届やるから言えよ」
先生のそんな言葉に返事もせずに、教室に向かう。
「ねぇ、ちょっと待って」
後ろから声が聞こえた。
…誰に言ってんだろう…
そう思いながら欠伸をして、階段を上ろうとしたとき腕を掴まれた。
「待って、御影君」
「…なんすか?」
振り返った先にいたのはさっき職員室で見た先輩。
先輩と喋るとき敬語使わないといけないから面倒だな…
「あ、俺橘真琴。2年生」
「…だから?」
「え?あぁ…えっと…」
視線を逸らして頬をかく橘さんにまた溜息をつく。
「松岡江と親しいみたいだったし、凛のことっすか?」
「え?あぁ…まぁ。うん…凛、オーストラリアで何かあったの?」
「さぁ?知りませんけど」
橘さんはそっか、と目を伏せた。
「凛と知り合いなら言っておいてもらえます?」
「え?」
「俺はもう前とは違う。だから…俺のことなんて忘れろ…そう、伝えてください」
「え、ちょっと!!?」
橘さんに背中を向けて歩き出そうとするとまた腕を掴まれる。
「まだ何か?」
「御影君、友達なんじゃないの!?そんな簡単に忘れろなんて…」
「…離してください。授業に遅れます」
掴まれた腕を払って、教室に向かう。
友達ね…
そういえば、凛もそんなこと言ってたな…
「何も言わずに消えた俺はまだ…友達なのか?」
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