大会が終わって、月曜日。
朝会で水泳部が表彰されていた。
皆の前に並んでいる真琴さんたちを屋上で眺めながら溜息をつく。
「設立間もないにもかかわらず水泳部は見事県大会ベスト8に残り地方大会への進出を決めました。次は全国大会への出場をぜひとも叶えて欲しいと思います。以上」
拍手を聞きながら寝転ぶ。
自分の手を太陽にかざしてもう一度溜息をついた。
トクントクンと音を立てる心臓に太陽にかざしていた手を当てる。
「なぁ、兄さん…」
規則的に自分の手に伝わる鼓動を感じながら目を閉じる。
「俺…どうしたいんだろう…」
午前中の授業はサボってお昼休み明けに教室に行けば放課後に松岡に捕まった。
「朱希君!!なんで、朝会のとき来なかったの!!?」
「…いや、悪い」
「もう!!部活行くよ」
腕を引かれて真琴さんたちと合流する。
「朱希、おはよう」
「…もうこんにちはっすけどね」
真琴さんはそうだね、と笑った。
「そういえば、遙先輩はどうしたんですか?」
「どっか行っちゃって」
「帰ってしまったんでしょうか…」
「まぁいつものことだし…」
どこか残念そうな彼らを少し後ろで見つめる。
このまま…彼らに隠していていいのか…?
胸のあたりの服を握りしめて顔を俯かせた。
「まぁとりあえず最初の目的だった実績は出せたし、部費も増えるはず!!部費が増えたらジムのプールで泳ぎ放題!!」
「あぁ!!」
「なに言ってるんですか!!?」
「「え?」」
「校長先生も言ってたじゃないですか。次の目標は全国大会出場です」
松岡の言葉にみんなが足を止めた。
全国大会出場…
「目標はあくまで高く!!」
「「「おぉ〜」」」
「よーし、全国目指して頑張ろう!!」
「フラーイ「「ハーイ」」」
Fryhigh…?
「よーし、部室一番乗りー」
走り出した渚を松岡と竜ヶ崎が追いかける。
それを少し驚いた顔で見ていた真琴さんが笑った。
「よしっ」
真琴さんがこちらを見る。
「朱希も行こう?」
「あ…はい」
視線を逸らしながら言えば真琴さんが笑って俺の手を掴んだ。
「ほら、早く!!」
「ちょ、真琴さん!!?」
握りしめられた手から伝わる温もりに俺は唇を噛んだ。
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