家に帰れば一通のメールが届いた。
「祭り…?」
お祭りに行こうという短いメールを見て時計に視線を向ける。
「…兄さんの所に行ってからにするか」
途中で合流する、と送って服を着替えていつもの道を走った。
「へぇ…日本のお祭りってこんな感じなんだ」
きょろきょろと周りを見ながら歩いていれば小さな男の子が足にぶつかる。
「あ、ごめんな?大丈夫か?」
しゃがんで男の子の顔を覗きこめばうんっと笑顔で答えた。
…凛の笑顔に、似てる。
「兄ちゃん、一人で来たの?」
「いや、これから友達と合流するんだ」
「そっか!!じゃあねっ」
「あぁ、バイバイ」
走って行く後ろ姿を見ながら小さく溜息をつく。
「さっさと合流するか…」
立ち上がって歩き出そうとして目についた真っ赤な林檎飴。
「…おっちゃん、これ1つ」
「あいよ」
林檎飴を食べながら歩いていればさっきの男の子がいた。
「あ、さっきの兄ちゃん」
「よぉ、何してんだこんなとこで」
彼の友達であろう男の子が笑いながら何かを指差す。
「…竜ヶ崎…?」
屋台に隠れながら何かを追いかける竜ヶ崎に俺は溜息をつく。
「兄ちゃんの友達?」
「あー…残念なことに、友達だな」
「面白い友達だね」
「ホントだよ…」
じゃあ、今度こそまたなと男の子の頭を撫でて彼を追いかける。
「竜ヶ崎」
「え!!?朱希君!!?」
目を丸くする彼の視線の先を見れば見覚えのある後ろ姿が2つ。
「凛と似鳥…?なにしてんのお前…」
「えっと…遙先輩と会わせないようにしようと思いまして…」
「あぁ…それで追いかけてるわけね」
竜ヶ崎といれば真琴さんたちと合流できるだろうし…
「俺もついて行く」
「え、いいんですか?」
「別に」
途中で似鳥と凛が別れ、凛はスタスタと歩を止めることなく歩いて行く。
そして、たどり着いたのは小学校だった。
「小学校…?」
小学校のプールを見つめる凛の目はどこか悲しそうだった。
金網を掴んでいる手に力が入っていく。
顔を俯かせて、胸のあたりのシャツをぎゅっと握った凛が突然走り出す。
その背中を見つめながら小さく溜息をついた。
「…何だったんだ、一体…」
「本当ですね。あ、朱希君。渚君が戻って来いって」
「そう。じゃあ、戻るか」
俺はもう凛の支えにはなれない。
自業自得だけど…
こんなに寂しいもんなのか…
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