afterstory
※R18要素を含みます。
自己責任でお願い致します。

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「明日ね、オフなんだー」
「オフ?珍しいな」

絵を描いていた手を止めて鳴の方を振り返れば嬉しそうに頬を緩めていた。

「それでさ」
「ん?」
「今日の夜、泊まりに行っちゃダメ?」

首を傾げた鳴に俺は目を瞬かせたて。

「俺の家に?」
「うん!!」
「え、前来たときに見たよな。俺の家狭いんだけど。ベッド1つしかないし」

一緒に寝るに決まってるじゃん、と鳴はさも当たり前だと言う顔で言った。

「は?」
「だーかーらーっ!!一緒に寝んの!!」
「え、いや…」

恋人という間柄、おかしなことはないんだけど。
俺もほら、男なわけで。

「嫌なの?」
「嫌ってわけじゃないけど…」

じーっと俺を見つめる鳴に俺は視線を逸らして頬を掻く。
鳴のことだからそういう可能性は想定してない。
てか、男同士で出来るってことさえ知らないだろう。

「…なまえ」
「何?」
「男同士でも、出来るんでしょ?」

鳴の言葉に俺は筆を落とす。
は?今、なんて…

視線を彼に向ければ赤い頬が見えて。
少し熱を帯びた瞳が俺を映す。

「…俺さ、なまえとしたいんだけど」
「ちょっと待て。は?…そのために泊まりにくんの?」
「悪いかよ」

唇を尖らせて顔を背けた鳴に俺は溜め息をつく。

「体、キツいってわかってる?」
「だから、明日オフ」
「………わかったよ」

きっと鳴は折れない。
直前に怖いとか言う可能性もあるし…

「本当!?やった!!」
「…お前なぁ…」

俺のために夕飯ちゃんと作ってね、と言った彼にわかったよと答えて。
嬉しそうに笑う鳴に頬を緩める。

結局俺はこいつに甘い。

「あ、あとさ!!部活終わったら迎えに来て」
「…我儘」
「いーじゃん。ダメなの?」

いいよ、と答えて落とした筆を拾う。

「ありがとね、なまえ」
「可愛い恋人のためだし。…まぁ、お礼としてキスの1つはしてくれる?」

首を傾げ、そう言えば鳴は目を丸くして徐々に頬が赤くなっていく。

「…い、いま?」
「うん。今」

顔を赤くして、机に身を乗り出した鳴に目を閉じる。

肩に置かれた鳴の手が震えてる。
こういうの苦手なくせに何で、したいとか言うかな…

唇に触れた彼の唇。
すぐに離れようとした彼の後頭部に手を当てて、ぐいっと引き寄せる。

「んっ!?」

彼の閉ざされた唇を舌で開けて、彼の縮こまった舌に自分のを絡ませる。

「ぁ、んっ…ふぁ、」

胸を叩かれて、唇を離せば鳴は力なく椅子に座った。

「あり、えない…」
「ご馳走さま」

自分の唇を舐めてそう言えば真っ赤だった顔がより一層赤く染まる。

「っ!!…馬鹿」
「ごめんって。そんなに睨まないで」

涙目で睨まれても煽られるだけだから。
彼の頭を撫でながら微笑めば鳴は視線を逸らした。

「約束…守んなかったら怒るからな」
「破るわけないだろ」





校門にいる。
練習を終えて携帯を開けばそう綴られたメールが届いていた。

「俺先帰るね!!」
「外泊だっけ?」
「うんっ!!」

1度寮に戻って荷物を置いてから、校門に向かう。

「なまえっ」
「お疲れ様」

壁にあてていた背を離して彼はふわりと微笑んだ。

「荷物は?」
「なんもないよ?なまえの借りようかなって」
「着替えはいいけど新しい歯ブラシあったかな…。てか、下着は?」
「んー、なんとかなるでしょ」

なまえは目を瞬かせて、溜め息をついた。

「なんだよ。文句ある?」
「別に。新しいのしまってあったよな、確か…」

じゃあ帰るか、となまえは手を差し出してきて、それに手を重ねれば少しゆったりとした歩調で歩き出した。

「お腹すいてる?」
「スゲェ腹へった」
「そっか。すぐに出来るように準備はしてきたよ」

繋がった手から温もりを感じて少し、頬を緩める。
距離を少しだけ詰めればなまえはこちらを見て、微笑んだ。

「夕飯なに?」
「スパゲッティ。なんか、食べたくなった」
「あー、お腹すいてきた。早く食べたい」

なまえは付き合うようになってからよく笑うようになった。
その笑顔を見る度に胸が締め付けられる。
カッコいいことに自覚がないからタチが悪い。

「ね、なまえ」
「んー?」
「なんでもない」

耳についたピアスに夕陽があたってキラキラとしていた。
その横顔が綺麗で、盗み見ていれば前を向いていたなまえがこちらを見る。

「俺の顔になにかついてる?」
「俺のって書いてある」
「え?」

目を瞬かせて、クスリと笑う。

「俺も書いておこうかなー」

鳴モテるしね。
なまえはポツリとそう呟いて、視線を前に戻した。





ご飯を食べて、風呂から上がって部屋に行けばテレビを見ている鳴が視界に入る。

「あれ、髪拭いてないだろ」

風呂から上がれば俺の服を着た鳴がこちらを振り返った。
濡れた毛先から滴が落ちる。

「いつも自然乾燥」
「痛むからやめろよ」

ベッドに腰かけて隣を叩けば鳴は素直にそこに座る。

「折角ふわふわした髪なのに」
「髪質なんて気にしないけどな」
「俺が気になる」

タオルで彼の髪を乾かしていれば鳴は俺の名前を呼んだ。

「なに?」
「キスしたい」

こちらを見上げた鳴に溜め息をつく。

「髪乾かしてからな」
「嫌だ」
「嫌じゃない」

眉を寄せ、唇を尖らせた鳴。
そんな姿まで可愛く見える。

「なまえのバーカ」
「そこまで成績悪くねぇよ、俺」
「知ってる。樹から聞いた」

頭も良くて運動も出来て絵も上手くて料理まで出来る。
自慢の彼氏だよと言って鳴はにししっといたずらっ子のように笑った。

「そりゃどーも」
「あ、照れてる」
「うるさい」

こちらを見上げていた鳴は俺の首に腕を回す。

「ねぇ、しようよ」
「積極的なお誘いだな」
「いいじゃん」

するりと彼の頭にかけていたタオルを取り払って。
まだ少しだけ湿っている髪に手を這わす。

目を閉じた鳴に口づけて、薄く開いた彼の唇を割って舌を入れる。
待ってましたと言わんばかりに俺の舌に彼の舌が絡み付く。

「んっ」

鼻を抜けるような彼の吐息。
頭の裏に回した手で彼を引き寄せて、より深く彼の口の中を味わう。

「は、ぁ…長いんだよ、お前…」
「喜んでるくせに」
「うるさい」

真っ赤な顔を背けた彼をベッドに押し倒して彼の頬を撫でた。

「…ホントにする?」
「する」

熱を帯びた彼の瞳に頷いて触れるだけのキスをした。





シャツを脱がせて、体に手を這わせる。
くすぐったいと身をよじる鳴。
鍛えられた体から胸に手を滑らせて、彼の胸の頂を撫でればぴくっと体を震わせた。

「ここ、気持ち良いの?」

痛くない程度にそれをくりくりと捏ねれば鳴は顔を背けて口を手の甲で押さえる。

「わか、んない…けど」
「けど?」
「ピリピリする」

んー…それって、感じてるってことなのかな?
赤く染まった頬と時折震える体。
まぁ、素質はあるのかもしれない。

胸を弄りながら反対の手でズボンの上から彼自身を撫でる。

「んっ」
「あ、ちゃんと起ってる」
「言うな、馬鹿」

ズボンの上から形を確かめるように撫でていば、少しずつ硬くなっていく。

「服の上から、すん…なって、ぁっん」
「何、直接触って欲しかったの?」
「ちがっ!?あっ、ん」

ズボンを下ろして、彼自身を指先で撫でれば体が震えた。

「ぁ、んっ…」
「声、我慢しなくていいから」
「声、なんてっあ、それっやめっ」

鈴口を親指でなぞれば鳴の声は大きくなる。
胸の刺激にも段々反応するようになっていく。

「いっぺんに、やるなって。ぁ、やだっんぁっ」
「気持ち良さそうだけど」
「うるさい、ってば。ぁ、あっ」

鳴の声が少しずつ大きくなっていって、体もびくびくと震える。

そろそろかな…?

「ゃ、あっなまえっ!!イく、ぁあっ」

裏筋をなぞり、鈴口に爪を立てるのと同時に胸の頂を少しだけ強めに摘まんだ。

「んんっ」

唇を噛んで声を圧し殺して。
俺の手には彼の白濁が溢れる。

「唇噛まないでよ。俺、声聞きたい」
「女、じゃ…ないんだから…気持ち悪い、でしょ」

息を乱しながら言った鳴に眉を寄せる。

「なにそれ」
「…なまえ?」
「関係ねぇけど。男とか女とか」

好きなやつの声聞いて気持ち悪いわけないだろ。
俺の言葉に鳴は目を丸くして、恥ずかしそうに顔を背けた。

「馬鹿、じゃないの?…どんだけ、俺のこと好きなわけ…?」
「鳴の声でこんなになるくらいには、好きだけど」

立ち上がっていた自分自身を彼に押し付ければ顔はまた赤くなっていく。

「馬鹿っ!!」
「…馬鹿でいいから。声、聞かせて。鳴の全てを俺に見せて」

頬をするりと撫でてキスをすればこくりと頷いて。

「なまえ、」
「ん?」
「大好き」

鳴はふにゃりと微笑んで、俺の頬にキスをした。

一応買っておいたローションを指に垂らして、くちゅくちゅと音をさせてそれを温める。

「なまえ、」
「痛かったら直ぐに言って。無理なら無理矢理したりしないから」

コクりと鳴は頷く。
後ろの蕾に指を這わせればビクッと体が震えた。

「…怖い?」

俺の問いかけに鳴は少し戸惑ってから頷いた。

俺は手を止めて、自分の足の上に彼が乗るように抱き寄せる。

「なまえ?」
「…抱きついてていいから。噛んでも爪を立ててもいい」
「…優しいね、なまえは」

鳴は俺の首に腕を回してキスをする。

「いいよ」
「うん」

もう一度彼の後ろに触れて、入口を解すように撫でる。
鳴は俺の肩に顔を埋めて、声を圧し殺していた。

「んっ」

指先を中に入れれば背中に回った彼の手の力が強くなる。

きつっ…
こんなとこに入れんの?

彼の反応を見ながら指を中に推し進めて。
傷付けないようにローションで濡れた指を中で動かす。

「痛い?」
「いた、くはない…けど。なんか、へんな感じ…」

ゆっくりと中を解して。
少しだけ緩くなったそこにもう一本指を入れる。

「んっ」

気持ちいいところ…って、どこだろ?
あるとはネットで見たけど。
2本の指をバラバラに動かしていれば鳴が体を震わせて甘ったるい声を漏らす。

「な、やだっ今のっ」
「…ここ?」

もう一度そこを撫でれば鳴は声を上げる。

「ぁ、やめっんっ、ダメっ」
「気持ちいい?」

鳴は何度も何度も頷く。
いつの間にかそこは3本の指を飲み込むようになった。

「も、はやくっなまえ、」
「うん」

指を抜いて、鳴をベッドに押し倒す。
起ち上がった自分自身を収縮を繰り返すそこに押し付ける。

「なまえの、あつい」

火照った顔で鳴はそう言って頬を緩めた。

「はや、く…ちょーだい?」

俺の背中に腕を回した鳴に頷いて、自分のを入れる。

あれだけ解しても、きつい。
千切られそう…

「あ、痛っ」
「痛い?…やめる?」
「ふざ、けんな…」

どれだけ、俺を焦らすんだよと鳴が言って。

「ずっと、待ってた…んだよ。部活忙しくて…こんなの、次…いつかわかんないっのに」
「あんまり、可愛いこと言わないで。我慢、できねぇから」

彼の口を塞いで。
キスをしながら、ゆっくりと中に入れていく。

「は、ぁ…はい、った?」
「うん。全部」

鳴のお腹の辺りを撫でて、わかる?と尋ねれば頬を染めて顔を背ける。

「わ、かる」
「今更、照れないで」
「うるさい。幸せ、すぎて泣きそうなんだよ」

目を腕で隠した鳴。
彼の手の薬指にキスをして、微笑む。

「好き、大好き。愛してる」
「もっ、うるさいってば…」
「鳴は?」

俺も、と小さく彼が答えてくれて。
俺はゆっくりと腰を動かす。

萎えていた彼自身は段々と硬さを取り戻して。
そこを弄りながら腰を動かす。

「ぁ、あっあぁーーっ」
「ここ?」

目を隠していた手は俺の背に回って容赦なく爪を立てる。

「ぁ、んっだめっ一緒にしちゃ、やばっあっぁ」
「可愛い」
「なまえ、なまえっ」

俺の名前を何度も呼んで、体を震わせる。

「もっ、ヤバイっ」
「いいよ、鳴」
「んっぁ、あっぁあーーッ」

鳴のが白濁を溢して、中が締め付けられる。
俺もゴムの中に白濁を吐き出して、彼の中から抜く。

「大丈夫…?」

荒い呼吸を繰り返す鳴の髪を撫でれば、コクりと頷く。

「幸せ、すぎて…死にそう」
「…俺も」

鳴に触れるだけのキスをして、眠っていいよと言えばゆっくりと瞼を下ろして。

「…愛してるよ、鳴」

眠る彼の首筋に痕を残して、俺は微笑んだ。





タンタンと規則的な音が聞こえてきて、目を開く。

あれ、ここ…
体を起こせば腰に尋常じゃない痛みが走る。

「痛っ」
「鳴?」

台所にいたなまえがこちらを振り返る。

あ、そうだ。
俺はなまえの家に泊まって…それで、それ、で。

昨日のことを思い出して一気に体温が上がる。

「おはよう」
「お、は…よう」
「顔、真っ赤だよ」

なまえは優しく微笑んで、俺に水を差し出す。

「腰、大丈夫…じゃないよな?」
「大丈夫じゃ、ない…」
「今日はゆっくりしてていいよ。夕方、寮まで送る」

あと少しで朝食出来るから、待っててとなまえは台所に戻ろうとして。
そんななまえの服を掴む。

「鳴?」
「おはようの、キスは?」

俺の言葉になまえは目を丸くして、でもすぐに優しい目をして俺を見た。

「な、んだよ」
「俺の彼女は本当に可愛いなって」

なまえは触れるだけのキスをして、首筋にもなまえをした。

その動作の意味を知ったのは顔を洗っているときだった。
首筋にあるキスマーク。

「なまえ!!!?なにこれ?!?」

慌てて彼の方を見れば目を細めて、微笑む。

「名前を書くよりも、有効的だろ?」
「…馬鹿。いつつけたんだよ」
「寝てる間にね。鳴だってたくさん残してるんだから、1個くらいいいだろ?」

なまえの言葉の意味がわからなくて首を傾げれば、徐にシャツを脱いで。
くるりと背を向けた。

背中に残る多分俺がつけた引っ掻き傷。

「わーっ!!もう、いいから早く服着ろ!!」
「照れちゃってかーわいい」

クスクスと笑うなまえ。
俺は真っ赤な顔を隠すために彼に抱き付いて。

「…なまえ」
「なに?」
「好き」

俺もだよ。
彼はそう答えてぎゅっと抱き締めてくれた。
End

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